ニコンは20日、クラシックデザインのフルサイズミラーレスカメラ「Z f」を発表した。
発売中のAPS-Cセンサー搭載「Z fc」と同様に、ダイヤル操作のクラシックデザインが最大の特徴で、ベースは「Z 6Ⅱ」となっているが、処理エンジンは最新の7を搭載する。
フラッグシップのZ 9が搭載する最新のAFや画像処理機能、さらに、Z初のピクセルシフト撮影や世界初のフォーカスポイントVR機能も搭載した、最新のZカメラとなっている。
市場想定価格はボディのみが約30万円で、クラシックデザインの40mmF2とのレンズキットは約33万円で10月発売の予定だ。
フルサイズ2450万画素で
FM2ライクなデザインを実現
「Z f」のデザインはニコンのフィルムカメラ「FM2」をベースとしながら、機能としては「Z 6Ⅱ」に最新性能を投入したスペックを持つ(以下ではZ 6Ⅱの性能と比較している)。
ボディの前カバーとトップカバーにはマグネシウム合金に光沢の黒塗装を施したもので、ダイヤル部には真鍮を使っており、Fnボタンは光沢塗装となっている。シボ模様は改良したものを採用し、グリップのホールドもZ fcより向上している。
エクステンショングリップ(Zf-GR1)はバッテリーやメモリーカードの出し入れを邪魔しないデザインで1万9000円で別売となる。
撮像素子はZ 6Ⅱと同じ2450万画素で、画像処理エンジンはデュアルEXPEED6から、EXPEED7に向上している。ISO感度は動画はZ 6Ⅱと同じだが、静止画では100~64000へと、51200より向上している。
シャッター速度は8000分の1秒から30秒で900秒まで延長できる。
EVFは369万ドットの0.5型OLEDで変わらず、背面モニターは3.2型210万ドットだが、チルト式からバリアングル式に変更となった。
ボディサイズは144×103×49mmで、Z 6Ⅱより幅が10mm、高さが2.5mm大きいが、奥行きは20mm薄くなっている。重量は710gで5gの増加だ。
AF性能はフラッグシップクラスを搭載
最高で毎秒30コマの連写も可能
AFではシングルポイントAFではZ 6Ⅱと同じ273点だが、オートエリアAFでは81点から299点に向上。カバー範囲も縦横80%から、縦89%×横96%に広がっている。
AFの最低輝度も通常-7.5EV、ローライト時-9.5EVから、-10EVに向上。被写体検出はZ9と同じ顔+瞳+体、犬・猫、鳥、乗り物、飛行機に増え、検出感度・精度も向上している。
ボディデザインから、旧レンズを利用するユーザーも多いと考え、MF時でも被写体検出が可能で、旧レンズでもフォーカスエイドが可能となっている。
連写速度も高速連続撮影では毎秒5.5コマから7.8コマになり、ハイスピードフレームキャプチャーでは毎秒30コマが可能である(JPEG-LでNORMAL設定)。撮影可能コマ数はEVF時で340コマから360コマに向上している。
ボディ内で最高8段の手ブレ補正
ピクセルシフト撮影で1憶画素出力も可能
ボディ内手振れ補正性能は5段から8段となったうえ、世界初の機能として、合焦点の手ブレを抑える「フォーカルポイントVR」も搭載した。これは、画面の中心からはずれたところが合焦点の場合、そこがブレないように制御するというものだ。
ピクセルシフト撮影機能を採用し、4、8、16、32ショットを画素ずらしで撮影。ボディ内では処理できないが、撮影後にNX Studioで処理することで、16と32ショットでは約1憶画素の写真を出力できる。
ピクチャーコントロール機能も増え、「フラットモノクローム」や「ディープモノクローム」など、ボディデザインに合わせたモノクロ機能を向上したうえ、撮影モードダイヤルにモノクロ撮影が設置されたので、瞬時にモノクロモードにできる。
また、Z 8が搭載する「美肌効果」を搭載。白飛びを抑えディティールを表現できる「リッチトーンポートレート」も加わった。
動画撮影は最高4K60Pで変わらないが、H.265 10bit記録が可能となり、N-Log、HLGも指定できる。また、DXでの4K60Pの撮影可能時間が30分未満から125分に向上している。
シャッターボタンにはねじ穴があるが、これはアクセサリーボタン専用で、ケーブルレリーズは付けられない。リモコン端子もないので、バルブ撮影はスマホのアプリで操作する。
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