天井埋め込み型マイクと、話者追尾用カメラで実現
仕組みは、誰が話しているかを捉えて、マイクとカメラで話者の位置を追尾しながら、常に最適な位置のマイクで話者の声をピックアップし、拡大した声を、Q-SYSの天井設置型スピーカーから出力するというもの。話者が切り替わった時も、自動的に新しい話者の声を拾い始める。部屋を歩き回りながら話すような場合も、出力される声の音量は、常に一定になる。
つまり、以前なら参加者がそれぞれハンドマイクを持ちながら、あるいは、1台のマイクを次々手渡しながらしていた会議を、ハンズフリーで実施できるということになる。もちろん会議室内だけでなく、オンライン会議プラットフォームなどを通じた、離れた場所からの参加者にも、カメラで捉えた話者の映像を配信しながら、マイクレスでクリアな音声を届けることが可能になる。
出力される声の大きさは3段階で調節でき、目的に応じて、タッチパネル式の操作ユニットから切り替えることも可能。また、話者の元々の声の大きさを出力音にある程度反映させ=声の小さい人の声は小さめ、声の大きい人の声は大きめに出力することもできるし、閾値を超えた音量の声を、すべて同じレベルに揃えることもできる。
こうしたボイスリフトの仕組みそのものは、実は他メーカーでも製品化しているのだが、サクサクで体験できる音声は、とにかく自然でクリア。「会議室でよく聞かれる、マイクを通した音」のイメージにはまったくそぐわない。不要な響きは全くと言って良いほど感じられず、話者の声が、そのままボリュームだけ大きくなったかのように感じられるのだ。
ゼンハイザーでは、独自のボイスリフト技術を「TruVoicelift」と名付けている。ピックアップした声の周波数を、人には認識できない程の高速で揺らし、ハウリングを防ぐ「自動周波数フィルター」、万一ハウリングが発生した時、またはしそうになった時に自動的にミュートする(ミュート起動までの時間は任意に調整)「エマージェンシーミュート」、そして、会議室での出力と、オンラインからの参加者でチャンネルを分ける仕組みを組み合わせることで、その場にいる参加者にも、オンラインでの参加者にも、確実にクリアな音声を届けるシステムを実現している。
青山一丁目駅直結の、高アクセス環境に、面白い場所が生まれた。マイクフリーで快適に会議を進めながら、遠隔地にもクリアな映像と音声を届ける……そんな場所を探している読者は、ぜひレンタル場所の候補としてみてはいかがだろう。
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