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Threads、BlueSkyの現状を紹介

Twitter激変で大騒ぎ 移住先の“優良物件”は

2023年07月26日 11時00分更新

XとThreadsとBlueskyのロゴ

 7月上旬にTwitterが実施した大規模な利用制限措置以降、ユーザーの間で別のSNSサービスへの移行が話題となっている。

 本記事では数あるサービスの中から、既に1億ユーザーを獲得している「Threads」と、Twitterの異母兄弟的な出自をもつ「Bluesky」を取り上げ、引っ越し先として優良物件と呼べるのか、筆者が実際に試した結果も踏まえご紹介する。

●Instagramが作ったテキストSNS「Threads」

 Threadは「Facebook」や「Instagram」を運営するメタが7月6日に開始したサービス。アカウントがInstagramと共通化されており、Instagramのユーザーは同じアカウントでThreadsにもログインできる。7月25日現在、1億以上のユーザーを抱える人気サービスだ。

Threadsアプリの利用イメージ

Threadsアプリの利用イメージ

 フィード(タイムライン)は、フォローの有無や時系列とは無関係に投稿が流れる形式。フォロー数の少ないユーザーでも多くの投稿を読める点はメリットだが、災害時など最新の情報を追いかける使い方には向いていない。

 珍しい機能として、Threadsを一定時間利用すると休憩を促す通知が出る機能も用意されている。10分ごと、20分ごと、30分ごとの3パターンから選択可能で、SNSに夢中になりがちなユーザーにとってはありがたい存在だろう。

Threadsの休憩リマインド機能

Threadsの休憩リマインド機能

 機能面以外の特徴としては、Twitterと比べ、写真や動画を投稿するユーザーが多いことが挙げられる。試しに筆者がフォローを全て外し、ニュートラルな状態でTLを確認したところ、写真や動画をメインとした投稿は全体の7割以上を占めていた。 

 フィード表示の仕組みが公開されていないため断定はできないが、Threadsの登場後もTwitterのアクティブユーザーが減っていない点を加味すると、Threadsの投稿者はInstagramから流入した層がメインと見られる。事実上、名前と見た目が変わったInstagramという状態であり、Twitterからの移行組は十分な交流ができていない可能性もある。

Twitterのアクティブユーザー数に関するイーロン・マスク氏のツイート

 企業やメディアの公式アカウントも徐々に増えており、運営側も不足する機能の追加に積極的。JASRACとも契約済みで「歌ってみた」系の動画を投稿しやすい点は安心材料だが、Twitterに取って代わるレベルにはまだ達していないのが実情だ。

●Twitterの創業者が支援するSNS「Bluesky」

Blueskyロゴ

 Blueskyはツイッターを創業したジャック・ドーシー氏が支援する短文投稿SNS。同氏が関わっているだけあって、見た目や基本的な機能もTwitterとよく似ている。

Blueskyの投稿画面はTwitterに近いイメージ

Blueskyの投稿画面はTwitterに近いイメージ

 7月25日現在、サービスはベータ版段階で、アカウント作成も招待制。招待コードはBlueskyのウェブサイトでウェイティングリストに登録するか、アカウント作成済みのユーザーから入手する必要がある。

アカウント作成には招待コードが必要

アカウント作成には招待コードが必要

 アカウントを作成するとフォロー、フォロワー共に0の状態からスタート。既存ユーザー発行の招待コードを使って登録しても、招待コードの発行者と強制的にフォロー、フォロワー関係になることはない。

 初期状態ではフォローしたユーザーの投稿を時系列順で並べるフィードや、話題の投稿を表示するフィードなどが用意されているが、ユーザー自身で各フィードの表示、非表示を選択可能だ。

 アプリの表示をカスタマイズできる点はメリットだが、記事執筆時点ではアプリのかなりの部分が英語表記となっており、英語が苦手なユーザーは戸惑う部分もあるだろう。

登録直後のプロフィール(左)とフォロー0状態のフィード

登録直後のプロフィール(左)とフォロー0状態のフィード

 ユーザー数は6月に10万を超えたばかり。日本語での発信に限れば個人アカウント、公式アカウント共に数は少なく、Twitter並みの活発な交流ができる段階には達していない。今後、招待コードの発行枠が大幅に増えない限り、当面は同じ状態が続くだろう。

 なお、筆者はユーザーの少なさを逆手に取り、TwitterやThreadsの喧噪に疲れた時の休憩所としてBlueskyを活用している。

●結論:全面移行ではなく併用が現実的

 ここまで触れてきたように、ThreadsもBlueskyもTwitterを完全に代替する域には達していない。

 現状ではTwitterを捨ててThreadsやBlueskyへ全面移行するよりも、Twitterを維持したまま、障害発生時のバックアップとしてThreadsやBlueskyを活用する方が現実的だろう。

 そもそも、サービスダウンや利用制限は、Twitterに限らず、あらゆるサービスで起こり得る。ThreadsやBlueskyに移行したからといって、こうした出来事と無縁でいられる訳ではないのだ。

 どのサービスをメインで使うにせよ、複数サービスの併用が万一の際の備えとなることは確かだろう。

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