ソニーは7月25日、完全ワイヤレスイヤホンの新製品「WF-1000XM5」を発表した。価格はオープンプライスで、店頭での販売価格は4万2000円前後になる見込み。発売は9月1日を予定している。カラーはブラックとプラチナシルバーの2色展開。
世界最高峰のノイキャン性能と小型軽量な本体
WF-1000XM5は、WF-1000XM4の後継機種で、ソニーの完全ワイヤレスイヤホンの中では最上位機種となる。従来機の特徴を生かしつつ、ノイズキャンセル性能のさらなる向上、本体の小型化と装着感の改善、マルチポイント接続への対応などユーザーの要望に応えた。
最大のポイントは“最高峰”をうたうノイズキャンセル性能だろう。従来機との比較で約20%向上し、JEITA測定基準に則った計測で世界最高性能を誇るという(4月10日時点)。また、後述するようにドライバーが大型化し、チップも高性能化しているが、バッテリー駆動時間を維持しながら本体が小型化、軽量化した。
耳と設置する面を小さく、耳からの飛び出しも抑える形状にして体積は約25%ダウン。従来は片側約7.3gあった重量も約5.9gと約20%軽量化している。従来機では外に出っ張っていたマイクを収め、ミニマルなデザインに。小型化と風切音の低減が可能となっている。また、ケースも小型化。容積が約15%ダウンし、厚みも3mmほど減っている。WF-1000XM4と比べると、かなり薄型になった印象で、ポケットに気軽に入れられるサイズになった。重量も3g程度減っている。
デザインも従来機種を踏襲しつつブラッシュアップ。耳に近い部分は光沢塗装、外側はタッチ操作がしやすいマットな質感にして変化を持たせている。質感を変えようと思った場合、別パーツに分ける場合も多いが、WF-1000XM5では一度全体を光沢塗装し、外側を削ってマットな質感を出すなど、ひとつのパーツに異なる処理を加えることで実現。継ぎ目を意識させない作りになっている。
振動板は低域再現を重視し大型に
高性能なノイズキャンセリングを実現できたポイントは、より大型化したドライバーの採用やデュアルチップによるリッチな機能を搭載したためだ。これらはサイズ増につながりそうだが、薄く設計した新ドライバーユニットと、メイン基板のSiP(System in Package)化によって小型できた。
再現性の高いドライバーと高性能なプロセッサーの組み合わせは、ノイズキャンセル性能の向上に大きく貢献した。ドライバーの直径は、従来の6mmから8.4mmに大口径化。中心部(ドーム部)に軽量/高剛性の硬い素材、周辺部に振幅を取りやすいやわらかい素材を使用し、低域の再現力とワイドレンジ再生を両立した。「統合プロセッサーV2」による24bitの信号処理とノイズキャンセリングプロセッサー「QN2e」が内蔵するDACやアンプ機能でしっかり駆動することでひずみの少ない再現が可能だという。
従来モデルは「統合プロセッサーV1」のみで処理していたが、改めてノイズキャンセル用のプロセッサーを追加することで、リアルタイムのノイズキャンセル処理への対応、複数マイクから得た情報に基づく正確な制御が可能となった。
デュアルノイズキャンセリングで使用するマイクの数も両側4基から両側6基に増加。フィードバック用マイクをデュアル構成にしたことで、低域のノイズ抑制効果が低減したとする。
新しいフォームタイプのイヤーチップを同梱
イヤーチップはWF-1000XM4と同素材だが、形状を変更。新しい「ノイズアイソレーションイヤーピース」はWF-1000XM4と同じ低反発のポリウレタンフォーム素材だが形状を変更して、フィット感を高めている。根本に近い部分の厚さを薄くすることで変形の自由度が上がり、圧迫感の低い装着性になったという。耳穴が小さな人に向けてSSサイズも追加。先端部をSサイズよりもシャープにしている。また、メッシュを追加しゴミの除去もしやすくなった。WF-1000XM5の発売に合わせ、実売価格2000円前後(各サイズ)で単体販売も開始する。
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