空間オーディオ制作への対応にも期待したい
MacのLogic Proには先に搭載されいて、今後iPadのLogic Proにもアップデートによる追加を期待したい機能についても井上さんに聞きました。
井上さんが最初に挙げたのは、ドルビーアトモスによる空間オーディオのサラウンド処理とミキシングへの対応です。
「WONKはいま新しいアルバムの制作を開始しています。僕もiPadのLogic Proをデモ音源の制作など、次のアルバム制作の一部に使っていますが、今後は空間オーディオの制作にもiPadのLogic Proが活用できたらいいですよね」
MacのLogic Proには先に触れたFlex Timeのほかに、録音したオーディオ素材のピッチ(音の高さ)を任意に編集する「Flex Pitch」という機能があります。全体にとてもいい録音の中で、ボーカルやモノフォニック楽器の音程を一部だけ調整したい時にとても便利です。このFlex Pitchの登場にも井上さんは期待しています。
ほかにも井上さんは音源ファイルをiPadのLogic Proにまとめて取り込めるインターフェースがほしいそうです。「現在はiPadOSの『ファイル』アプリから1件ずつ音源ファイルを取り込む仕様ですが、例えばiPadの画面をSplit表示にしてから、ドラッグ&ドロップでLogic Proに音源ファイルをまとめてインポートする使い方もできたらいいですね」
iPadのLogic Proはまだバージョン1.0が登場したばかりです。ユーザーからのフィードバックを受けて、井上さんが期待する機能のほかにも沢山の機能追加がこれから順次アップデートによって追加されることを楽しみに待ちましょう。
iPadのLogic Proは、A12 Bionic以降のチップとiPadOS 16.4以上を搭載するiPadで広く楽しめる音楽制作アプリです。月額700円で気軽に試せるだけでなく、すべての機能を開放した1ヵ月間のフリートライアルもあります。今年の夏休みはぜひiPadのLogic Proで作曲体験を味わってみてください。
筆者紹介――山本 敦
オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。取材対象はITからオーディオ・ビジュアルまで、スマート・エレクトロニクスに精通する。ヘッドホン、イヤホンは毎年300機を超える新製品を体験する。国内外のスタートアップによる製品、サービスの取材、インタビューなども数多く手がける。
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