【ベンチ】史上最速M2 Ultra搭載 約100万円「Mac Studio」ポテンシャルは従来テストでは測りきれない
M2 Ultraのポテンシャルを引き出すのは「アプリ次第」
ここまで見てきたテスト結果から分かるように、テストによってM2 Ultraのポテンシャルを引き出せているものと、まったく引き出せていないものがある。概して言えば、負荷の重い処理ほどパフォーマンスを引き出しやすく、逆に軽い処理では引き出せないことが多い。これは、M2 Ultraの特性として当然の結果と言えるかもしれない。
またM2 Ultraは、シングルコアで動作するような日常的なアプリでは、その性能を十分に発揮できないことが多いとも言える。とはいえ1台のMac上で、シングルコアのアプリ1つだけが動作している状態というのはありえない。いくつものアプリや、バックグラウンドでしか動作しないプログラムが無数に動いている。そうした状況では常に複数のコアが働いているわけだから、シングルコアで遅いことが必ずしも大きな欠点とは言えないのも確かだ。
今回のテストで感じたのは、M2 Ultraクラスのチップともなると、Macの最大の強みである通常のGUIアプリだけでは、その実力を十分に発揮するのが難しいということ。大量のデータのバッチ処理や、ネットワーク上での分散処理などでこそ、強みを発揮できる使い方も多いだろう。本体価格や運用コストを考えても、いちいち一人のユーザーの操作を待ち、それに応答して結果を表示するような動作だけでは、もったいない使い方になってしまうのは明らかだ。
それを考えると、もはやこれまでのmacOSでは、M2 Ultraクラスのポテンシャルを扱いきれない場面が出てくることも少なくないと考えられる。今後のmacOSの発展の方向性として、このような高性能チップの性能を最大限に引き出して活用するための機能を考える時機に来ているような気がする。
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