【レビュー】M2 Ultra搭載Mac Studioは次元が異なるマシンだ!
大きな特長「カスタマイズ(CTO)の幅が広い」
Mac Studioのまた別の大きな特長の1つとして、カスタマイズの範囲が広いことが挙げられる。これはMac Studioの、というよりも正確には搭載するM2 MaxやM2 Ultraチップの特徴なのだが、ニーズに応じてMax、Ultraのいずれかのチップを選べること自体が、Studioの選択肢の広さの要因となっているのは間違いない。
ここで、参考までに下位機種のMac mini M2 Pro、上位機種のMac Pro M2 Ultraも含め、Mac StudioのM2 Max、M2 Ultraの4機種で、カスタマイズ可能なスペックの範囲を確認してみよう。
今述べたように、カスマイズ範囲は採用するチップによって決まってしまうため、同じM2 Ultraを採用したMac StudioとMac Proは同一ということになる。そのM2 Ultraは、M2 Maxを2つ結合したものなので、M2 Maxのカスタマイズ範囲(可能なオプション)の数字は、ちょうどM2 Ultraの半分となっている。
Mac miniのM2 Proは、CPUの最大コア数こそM2 Maxと変わらないが、GPUコア数は半分、最大メモリもM2 Maxの3分の1となっていて、CPUコア数以外の部分では、やはりかなり下位の機種に見える。それでもおもしろいのは内蔵ストレージの上限が、これら4機種で変わらないこと。M2 Proは256GB、M2 Maxは512GBという下限のオプションを追加しているが、それを除けば、いずれも1TB、2TB、4TB、8TBというオプションを用意している。1TBからの差額は、2TBが5万6000円、4TBが14万円、8TBが30万8000円で、どの機種でも同じだ。
参考までにMac StudioとMac Proの価格を比べておこう。ベースの24コアCPU、60コアGPU、64GBメモリ、1TBストレージの構成では、Mac Studioが59万8800円、Mac Proはタワーモデルで、その倍近い104万8800円となる。最大限にカスタマイズした24コアCPU、76コアGPU、192GBメモリ、8TBストレージの構成では、Mac Studioが127万800円、Mac Proは172万800円となる。当然ながら価格差は変わらず45万円で、これがProとStudioの実質的な価格差だ。
同じM2 Ultraを採用したMac StudioとMac Proは、基本性能に関する限り、まったく同じクラスのマシンと言える。ではその45万円の違いがどこにあるかと言えば、ほとんど唯一、かつ決定的な違いだが、PCIeカードスロットの有無だ。Mac Proは7つのPCIeスロットと、そのための300Wの電源を内蔵している。拡張性という点ではMac Studioとは桁違いとなる。逆に考えれば、PCIeカードによる拡張性が不要だと分かっていれば、Mac Studioで十分であり、価格や設置の自由度を考えれば、むしろその方がベターな選択と言えるだろう。
そしてもちろん、Mac Studioには、Mac ProにはないM2 Maxという選択肢もある。Ultraほどのパフォーマンスが必要ないなら、Mac Studioのバリエーションは、下位方向にさらに大きく拡がる。
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