【レビュー】M2 Ultra搭載Mac Studioは次元が異なるマシンだ!
GPU重視で強化された基本スペック
最初に述べた通り、初代からわずか1年ちょっとで登場したMac Studioの2代目は、中身のチップを初代のM1 Max、M1 UltraからM2 Max、M2 Ultraに載せ替えただけの製品のようにも見える。チップの進化にともなって、どこがどのように変わったのか、細かく見ていこう。
ここでは代表的な基本スペックを3つの機種で比べてみる。今年発売のM2 Pro搭載のMac mini、昨年のM1 Ultra搭載の初代Mac Studio、そして今回のM2 Ultra搭載のMac Studioだ。
くどいようだが、新旧Mac Studio間の主な違いはM1 UltraとM2 Ultraの違いに帰着される。数字としてはっきり異なるのは、CPUとGPUのコア数の違いだ。M1 UltraのCPUが20コアなのに対し、M2 Ultraでは24コアに増強されている。ただし、高性能コアの数は、いずれも16で変わらないので、純粋なCPU性能として2割増にまではなっていないはずだ。
一方のGPUは、M1 Ultraが標準48コア、オプションで64コアなのに対して、M2 Ultraでは60コアが標準となり、オプションで76コアのチップが選べる。どちらかというとCPUよりもGPU性能の向上に力点が置かれている印象だ。
ユニファイドメモリも、最大搭載量が増加している。M1 Ultra、M2 Ultraとも、標準は64GBで、128GBのオプションが用意されているところまでは同じ。M2 Ultraでは、さらに198GBのオプションが加わった。メモリの追加は64GBあたり11万2000円で、128GBを選ぶと+11万2000円、192GBでは+22万4000円となる。一般的なDIMM形式のメモリに比べるとどうしても高価だが、M2 Ultraチップとほぼ一体化したユニファイドメモリが192GBまで実装できるようになった意義は大きい。
そのほか、ストレージについては変化なく、標準で1TB、オプションで最大8TBとなっている。最大5台のディスプレイに同時出力できる点も同じだが、初代Mac Studioの仕様では、HDMI以外のビデオ出力が「USB-C経由で」となっていたのに対し、第2世代機では「Thunderbolt経由で」と表現が変わっている。もちろんどちらもポートとしては同じものなので、実質的な違いはほとんどないと考えていいだろう。
あとは通信関係で微妙な世代の進化が盛り込まれている。M1 UltraではWi-Fi 6だったものが、M2 UltraではWi-Fi 6Eとなり、Bluetoothのバージョンも5.0から5.3へとアップデートされている。ただし、このあたりは、今年になって登場したM2 ProのMac miniでも一足早く更新されていたので、単に採用する周辺チップの世代交代ということだろう。
参考までにMac miniと比べると、ストレージ容量こそ最大8TBで変わらないが、CPUやGPUのコア数、メモリの帯域幅(200GB/s対800GB/s)、最大メモリ容量(32GB対192GB)も、すべて次元の異なるマシンに見えてくる。本体のデザインは類似していて、高さこそ異なるものの専有面積は同じながら、中身がこれだけ異なるのは驚異的なことに思える。
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