週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Xアイコン
  • RSSフィード

【レビュー】M2 Ultra搭載Mac Studioは次元が異なるマシンだ!

2023年07月20日 07時30分更新

M2 Pro Mac mini、新旧Ultra搭載Mac Studioの代表的な仕様の比較

GPU重視で強化された基本スペック

 最初に述べた通り、初代からわずか1年ちょっとで登場したMac Studioの2代目は、中身のチップを初代のM1 Max、M1 UltraからM2 Max、M2 Ultraに載せ替えただけの製品のようにも見える。チップの進化にともなって、どこがどのように変わったのか、細かく見ていこう。

 ここでは代表的な基本スペックを3つの機種で比べてみる。今年発売のM2 Pro搭載のMac mini、昨年のM1 Ultra搭載の初代Mac Studio、そして今回のM2 Ultra搭載のMac Studioだ。

 くどいようだが、新旧Mac Studio間の主な違いはM1 UltraとM2 Ultraの違いに帰着される。数字としてはっきり異なるのは、CPUとGPUのコア数の違いだ。M1 UltraのCPUが20コアなのに対し、M2 Ultraでは24コアに増強されている。ただし、高性能コアの数は、いずれも16で変わらないので、純粋なCPU性能として2割増にまではなっていないはずだ。

 一方のGPUは、M1 Ultraが標準48コア、オプションで64コアなのに対して、M2 Ultraでは60コアが標準となり、オプションで76コアのチップが選べる。どちらかというとCPUよりもGPU性能の向上に力点が置かれている印象だ。

 ユニファイドメモリも、最大搭載量が増加している。M1 Ultra、M2 Ultraとも、標準は64GBで、128GBのオプションが用意されているところまでは同じ。M2 Ultraでは、さらに198GBのオプションが加わった。メモリの追加は64GBあたり11万2000円で、128GBを選ぶと+11万2000円、192GBでは+22万4000円となる。一般的なDIMM形式のメモリに比べるとどうしても高価だが、M2 Ultraチップとほぼ一体化したユニファイドメモリが192GBまで実装できるようになった意義は大きい。

 そのほか、ストレージについては変化なく、標準で1TB、オプションで最大8TBとなっている。最大5台のディスプレイに同時出力できる点も同じだが、初代Mac Studioの仕様では、HDMI以外のビデオ出力が「USB-C経由で」となっていたのに対し、第2世代機では「Thunderbolt経由で」と表現が変わっている。もちろんどちらもポートとしては同じものなので、実質的な違いはほとんどないと考えていいだろう。

 あとは通信関係で微妙な世代の進化が盛り込まれている。M1 UltraではWi-Fi 6だったものが、M2 UltraではWi-Fi 6Eとなり、Bluetoothのバージョンも5.0から5.3へとアップデートされている。ただし、このあたりは、今年になって登場したM2 ProのMac miniでも一足早く更新されていたので、単に採用する周辺チップの世代交代ということだろう。

 参考までにMac miniと比べると、ストレージ容量こそ最大8TBで変わらないが、CPUやGPUのコア数、メモリの帯域幅(200GB/s対800GB/s)、最大メモリ容量(32GB対192GB)も、すべて次元の異なるマシンに見えてくる。本体のデザインは類似していて、高さこそ異なるものの専有面積は同じながら、中身がこれだけ異なるのは驚異的なことに思える。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この特集の記事