パソコンの使用者向けとして市場を確立したゲーミングチェア。昨今ではゲーム実況などをする配信者だけでなく、在宅ワークのお供として利用している人も多い。ただ、市場が活性化しているということはそれだけ世に多くの製品が出ているということの証左でもあるのでいいことなのだが、我々ユーザーとしてはどれを購入すればいいのか迷ってしまうだろう。
そこで今回はゲーマーならご存知、ゲーミングチェアの老舗であるAKRacingの「Nitro V2」を紹介しよう。
AKRacingのスタンダードモデル
「Nitro V2」
Nitro V2は2015年に発売され人気を博したNitroシリーズをベースに、使用者がより快適に利用できるように改良された最新バージョンだ。
カラーバリエーションはレッド、ブルー、グリーン、オレンジ、ホワイトといったゲーミングにスポーティーさを感じさせる5種類を用意。筆者がもし選ぶなら、今は夏なので清涼感がありそうな見た目のブルー……というようにフィーリングで選んでみるのもアリ。
デスクワークが多いなら
カラダを労ることが大事
パソコンでゲームをしたり、事務作業などをしていると、どうしても長時間同じ姿勢になりがち。そうなると筋肉の緊張状態が続くうえに血管が圧迫されることで血行不良になり、負担が痛みとして返ってくることも。
Nitro V2はこの体への負担を軽減するためにモールドウレタンフォームを採用することで、長時間の利用でも負担を極力抑えて座ることが可能だ。
そしてチェアの表面は高品質なPUレザー(ポリウレタン合成皮革)を採用。このPUレザーは弾力性と柔軟性を兼ねそ耐えた素材で、さらに通気性もよく劣化しにくいという特徴がある。体への負担を軽減しつつも蒸れにくく長持ちしやすい。
ゲーミングチェアで忘れてはならないのが、ヘッドレストとランバーサポートだ。ヘッドレストは首の高さに配置することで重い頭部を支える首の負担を軽減し、ランバーサポートは腰とチェアの隙間に置くことで背中の丸まりを防ぎ負担の少ない姿勢を維持できるようになる。
自分のカラダに合わせて調整できる
なんだかんだ言っても、ユーザーの環境にチェアが合うかどうかという問題が生じてくる。それは高さ調整やアームレストとPCデスクが干渉するか否かなど、さまざまな要因があるだろう。Nitro V2には座面の高さを調整する機能はもちろん、肘を乗せるアームレストの昇降機能といったものもあるので、使用者の体のサイズや環境に合わせてカスタマイズすることが可能だ。
ここで注目しておきたいのがロッキング機能だ。この機能を利用すると、座面だけでなく椅子自体を最大12度まで傾けることが可能だ。より深く座りたいという場合は、角度をつけることで無理なく腰を椅子に潜らせることが可能になる。利用者の足の長さとPCデスクの高さとの兼ね合いで、この機能を利用するケースもありそうだ。
作業やゲームの合間の息抜きも大事
180度倒せるリクライニング機能
Nitro V2がAKRacingのほかの製品と同様、180度まで背もたれを倒せるリクライニング機能が搭載されている。ゲームや作業で疲れたらこの機能を利用することで上半身を伸ばし、リラックスできる姿勢へと変更することができる。緊張状態からの解放ということで、このまま仮眠を取ったりというのもアリだろう。また、このときに別売りのオットマンを利用すれば足を伸ばしてよりリラックスできるので、併用も一考の価値がある。
チェアの気になる部分もチェック
ガス圧式の昇降機能を持つチェアは経年劣化とともにガス圧が弱くなり、座っただけで高さが変わったりといったケースがある。これは単純に元々のシリンダーからガスが抜けたりといった不具合で生じるのだが、Nitro V2ではそのおそれはほとんどない。本製品では国際的第三者認証機関のLGAからDIN 4550の基準をクリアしたクラス4のガスシリンダーを採用することで、高耐久かつ安全であることが証明されている。なので、上記のような不具合は起きないだろう。
また、椅子の足に付いているキャスターはPU製で柔軟性と耐久性に優れており、フローリングを傷つけたり、移動した際に生じるガラガラといった騒音もかなり抑えられる。この騒音って結構響きやすく、離れた部屋でも聞こえることがあるので、周辺への配慮にもなって◎といったところだろうか。
上記のガスシリンダーやキャスター、オットマンなどはAKRacingのサイトにて別途購入することが可能だ。ラインナップ(こちら)を確認すると、サイズの異なるガスシリンダーなどもあり、対応する製品であればさらなるカスタマイズも見込める。使用しているAKRacingの製品で摩耗したり使い古したパーツが出た場合は、ラインナップを一度確認してみるといいだろう。
【まとめ】何年も使うことを考えれば
Nitro V2の機能はお値段以上
AKRacingの人気シリーズをベースにアップグレードされたNitro V2の気になるお値段は4万7800円。昨今の類似製品を見るとそこそこのお値段。
しかし価格に見合った機能や品質を保持しており、使用者にとって値段以上の価値が得られる製品だと言って差し支えないだろう。
何時間、いや何年も体に触れさせるチェアだということを考慮するのであれば、極力負担を減らすためにも本製品はオススメできる製品だ。
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