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対面の復活で「日常の一部」になることができなかったサービスは利用時間減少

コロナ禍で流行ったライブ配信、Zoom飲み会……まだやってる?

2023年07月25日 09時30分更新

コロナ禍で利用したことがあるサービス(仕事での利用は除く)

ライブ配信やビデオ通話の利用がコロナ禍で急増

 コロナ禍をきっかけに、オンラインでのエンターテインメントサービスが普及した。しかし、新型コロナウイルス感染症が5類に移行したことで、徐々にコロナ禍前の生活に戻りつつある。

 オンラインでのエンターテインメントサービスの利用はどのように変化したのか。クロス・マーケティングの「オンラインエンタメコンテンツの利用変化に関する調査」(2023年6月)を見てみよう。

 コロナ禍で利用したことがあるオンラインサービスを聞いたところ、「事前に収録された動画やラジオの視聴・配信」が37.4%でトップ。

 続いて、「リアルタイムで配信している動画やラジオの視聴・配信」(27.4%)、「スマホ用のアプリゲーム」(26.8%)、「SNS(TwitterやInstagram)でのコミュニケーション」(23.4%)、「スポーツやゲームの試合観戦」(18.5%)などとなった。コロナ禍でライブ配信をするライバーが増えたり、コミュニケーションの舞台が主にSNSだったことは記憶に新しい。

 そのほか、「友人や知人、家族とのビデオ通話」(12.9%)、「アーティストやタレントのライブ・イベント鑑賞」(11.7%)など、リアルで会いづらい、ライブが開催できない御時勢ならではの利用も多かった。

コロナ禍と比べたときの利用頻度・利用金額の変化

対面の機会が増えたことでオンラインに割く時間が減った

 5類以降後、約2割が「アーティストやタレントのライブ・イベント鑑賞」について利用頻度が減ったと回答。ライブやイベントがリアルで開催されるようになったことで、オンラインでの利用は当然ながら減少に。また、今回聴取したすべての項目で、コロナ禍と比べて利用金額は減少している。

 逆に利用頻度に差が見られないのは、「事前に収録された動画やラジオの視聴・配信」「SNSでのコミュニケーション」「スマホ用のアプリゲーム」などだ。すでに普及し日常となっていると考えられる。

 オンラインサービスの利用が減った理由について聞いたところ、これまでオンラインで代替されていたイベントがリアルで開催されるようになったことや、外出の機会が増えて在宅時間が減ったこと、対面でのコミュニケーションが復活したことなどが挙げられた。

 通勤・通学などが再開し、人との出会いが増えたことで、オンラインサービスに割ける時間は減少した。リアルの体験が復活したことで、対面に回帰しているのだ。

 ネットサービスはコロナ禍で需要の先食いをしたぶん伸び悩んでおり、IT大手などで従業員の解雇が増えている。一方で、日常に浸透して当たり前に使われるようになったものもある。オンラインサービスは便利で時短につながるため、今後も形を変えて利用されていくことは間違いないと言えそうだ。

著者紹介:高橋暁子
 ITジャーナリスト、成蹊大学客員教授。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki

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