ごきげんよう、アスキーグルメのナベコです。みなさんおなじみの牛丼チェーン「吉野家」。忙しい平日の昼食に、もしくは飲み会前の腹ごなしの軽食に、はたまた朝まで飲んで帰りがけの〆の一杯にお世話になったことは数知れず(酒飲みエピソードになってしまいました)。そんな吉野家の、あまり世に知られていない興味深い話を3つ紹介。
「箸箱」に特許技術
吉野家においてある「箸箱」は、蓋を開けると裏までパタンと開ききるのではなく、45度でピタッと止まります。
実はこれ、特許技術。
以前は開ききるタイプだったそうですが、吉野家店舗はカウンターであることから蓋が開ききると従業員側にぶつかってしまうなど不便があったことや、お客さんの箸の取りやすさを配慮して、箸箱を独自に開発して1986年から導入。この仕様は特許を取得しています。
みなさん、実際に吉野家にいって箸箱を開けると、確かに45度で止まるので確かめてみてください。ふだんなにげなく利用している箸箱にそんな特許を取得したギミックが隠されているとは驚きですよね!
長皿の素材に“卵の殻”
牛皿や定食のおかずが提供される長皿が、以前は白かったのに、最近、黒いもの変わっているとお気づきでしょうか? 黒い長皿は、“卵の殻”を活用したバイオマス食器。今年の1月から順次店舗に導入されています。
吉野家ではさまざまなメニューで鶏卵を調理に使用し、卵の殻の廃棄も発生することから、従業員の発案でバイオマス食器に注目。
実際に店舗で導入しているのは、食品や容器を製造するメーカー、アヅミ産業グループが手掛けるシェル(卵殻)を原料の一部に使用する食器“シェルミン”で、形などは吉野家オリジナル。気になる成分は卵殻51%、パルプ7%の配合とのことで、なんと半分以上が卵の殻です!
触ってみると、プラスチックのような軽い触り心地。「原料に卵の殻を使用している」と聞くとなんとなく納得できますよ。
卵の殻を再利用し廃棄を減らすことで、卵の殻を焼却時に発生するCO2削減が期待できるんだとか。最近、各企業さんがSDGsを意識したサステナブルな取り組みを手掛けていますが、吉野家ではふつうに手に取れる“皿”を工夫していると知りちょっとびっくり。
なお、吉野家の店舗で発生した卵の殻については、工場での廃棄とは異なるので、シェルミンに直接活用できるわけではないそうです。
「七味」ではなく「四味」
吉野家の卓上におかれている「唐辛子」。七味唐辛子のこと? いえ、違います。実はこれ、七味ではありません。四味唐辛子です。
成分は「陳皮、唐辛子、胡麻、青さ(一部にごまを含む)」と書かれており、牛丼の味わいを生かすために辛さ控えめで、風味も牛丼にあわせて厳選したオリジナルの配合とのこと。
「吉野家の“七味”はたっぷりかけてもおいしく食べられたのに、他で同じようにかけたら辛かった」という経験がある方はいないでしょうか? まさに、合っています!
ちなみに陳皮とはミカンの皮のことです。七味唐辛子では一般的な素材ですね。七味には他に麻の実、ケシの実、山椒などが加わりますが、吉野家の四味にはこれらは無縁なので、コロンとした粒状の麻の実が歯に詰まる心配もありません。
知られざるトリビア、いかがでした?
以上です。これを知れば牛丼もさらにおいしくなる、とは言い切りませんが、ひとりで吉野家へ行ってもニヤリとできてちょっと楽しめちゃいます!
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