15インチMacBook Airは「余裕たっぷりの画面サイズ」で実用度No.1
ライバル機? Surface Laptop 5との比較
最初に述べたように、今回アップルがMacBook Airの15インチモデルを追加してきたのには、単にMacBookシリーズのサイズのラインアップを充実させ、1インチ刻みの画面サイズを実現する、という以上の目論見があったのではないかと思わせるフシがある。それが、パソコン用のOS開発メーカーとしてライバル関係にあるマイクロソフトの製品、Surface Laptop 5という製品の存在だ。
この製品は、一般的なSurfaceとは異なり、ディスプレイとキーボードが一体の、ごく普通のノートブック型パソコン。Airと同じく薄くて軽いことをウリにしている。それもあり、デザインはM1時代までのウェッジシェイプのMacBook Airに似たものとなっている。ただしSurface Laptopには、以前から13.5インチと15インチの2種類のラインナップがあった。仮にMacBook AirかSurface Laptopかで迷っているユーザーがいたとして、より大きな画面サイズに魅力を感じるのであれば、他の特徴には目をつぶって、MacBook AirよりもSurfaceを選んでしまう可能性もあったわけだ。
もちろん、それだけではないだろうが、アップルとしては、1種類しかなかったAirの画面サイズの穴を埋めるべく、Surfaceが先行していた15インチモデルを用意したという経緯があっても不思議ではない気がする。
ここでAirとSurfaceの、主要なスペックを比較してみよう。
こうして比べてみると、さまざまな点で、かなり似通った製品だと分かる。もちろんCPUと適合OSが異なるのは決定的な違いだが、用途や対象ユーザーは、かなりオーバーラップするのではないだろうか。厚さはMacBook Airの方が3mm以上薄いが、大きさや重さは、だいたい同じだ。技術的な仕様にも似通った部分が多い。
操作性には大きな違いがある。Surface Laptopは、ノートブック型パソコンでありながら、ディスプレイが10ポイントのマルチタッチに対応している。このあたりは、MacとiPadでタッチ操作の有無を完全に分けているアップル製品とのポリシーの違いだろう。
実は価格帯も似通っていて、同じメモリ8GB、ストレージ256GBのモデルだと、Surfaceは19万7780円、MacBook Airは19万8800円となっている。
実際に、MacBook AirかSurface Laptopかで迷う人が、どれだけいるのかは分からないが、一種のライバル関係にあることは間違いないだろう。
28時間を超える脅威のバッテリー持久力
MacBook Air 15インチのパフォーマンス評価については、ベンチマークテスト結果、考察を別記事でお届けする予定だが、この記事では特に気になっている人も多いと思われるバッテリーの持続時間のテスト結果だけを示しておくことにする。
例によって、YouTubeのビデオをWi-Fi経由でバッテリー駆動によって連続再生し、フル充電状態から残量が0%になって強制的にスリープ状態になるまでの時間を計測した。ビデオの再生は、Safariをフルスクリーン表示にし、画面の明るさはオンスクリーンの明るさのインジケーターで6コマ分、音量は1コマ分に調整している。
これまでは、M2搭載のMacBook Pro 13インチ、MacBook Air 13インチとも、28時間の壁があった。MacBook Airの15インチモデルでは、ついに28時間の壁を超え、連続約28時間半のビデオ再生が可能となった。
バッテリーの容量は、MacBook Air 13インチモデルの52.6 Whから66.5 Whに増量されているが、ディスプレイの消費電力が大きくなっている分を差し引いても、バッテリーの持続時間が若干伸びたことになる。
ただし、付属の35Wの電源アダプタでは、バッテリー容量が増えた分、充電時間も長くなった。このテストでは、残量が0%の状態から100%になって自動的に充電が停止するまでの時間を計測している。その間は画面のバックライトもビデオ再生時と同じくインジケーター6コマで点灯し、アプリは何も使用しないアイドル状態とした。スリープ状態で充電すれば、何割かは早くなるだろう。また、仕様上「70W USB-C電源アダプタによる高速充電に対応」ということになっているので、70Wのアダプタを使用すれば、充電時間は半分程度になることが期待できる。
余談だが、付属の充電用「USB-C - MagSafe 3ケーブル」は、MagSafe側のコネクターの表面が金属製で、本体カラーとコーディネートされている。このあたり、さすがはアップルならではの芸の細かさが感じられる。
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