文部科学省は7月4日、生成AIの学校教育現場での活用について示した「初等中等教育段階における生成AIの利用に関する暫定的なガイドライン」を発表した。
本ガイドラインでは、⽣成AIの教育利⽤の⽅向性について、以下の2つの考え方を示している。
●基本的な考え方
- まずは限定的な利用から始め、得られた成果と課題を十分に検証し、今後の議論に役立てる。
- 情報の真偽の確認(ファクトチェック)の習慣づけを含め、情報活⽤能⼒を育む教育活動を⼀層充実させる。
- 教師のAIリテラシー向上や働き⽅改⾰に繋げる
●⽣成AI活⽤の適否に関する暫定的な考え⽅
- 子どもの発達段階や実態なども踏まえ、教育活動や学習評価の目的を達成する上で、生成AIの利用が効果的か否かで判断することを基本とする。
- 生成AIへの懸念に十分な対策を講じられる学校でパイロット的に取り組むことが適当。
以上を踏まえ、活用の適否の具体例も示された。
例えば、子ども達がグループ討論の際、足りない視点を見つける手助けとして生成AIを利用したり、英会話の練習相⼿とすることなどは適切な活用法とされる。
一方、音楽や美術など⼦供の感性や独創性を引き出すことが期待される場⾯で安易に生成AIを使わせたり、教師が正確な知識に基づきコメントすべき場⾯で生成AIに代理でコメントさせるような使い方は不適切とされた。
同省によると、本ガイドラインは学校関係者が生成AI活用の適否を判断する際の参考資料となるよう作成されているが、⼀律に禁⽌や義務づけを⾏う性質のものではないという。
内容も6月30日現在の情報を基にした暫定的なものであり、今後、ルール作りの進展や知見の蓄積に応じて機動的に改定するとしている。
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