ゲームエンジン「Unity」を開発するUnity Technologiesは6月26日(現地時間)、リアルタイム3D(RT3D)体験をさらに魅力的にするために設計された2つの新しいAIプラットフォーム、「Unity Sentis」および「Unity Muse」を発表。開発者は専用ウェブサイトからアクセスを要求することでクローズドベータ版を利用できる。グローバルな一般提供は本年度後半の予定。
また、開発者向けツールストア「アセットストア」内に、AIツールやAIを使って作成されたアセットを提供するマーケットプレイスを開設したと発表した。
プロンプトを元に開発を進められるUnity Muse
Unity Museはシンプルなテキストベースのプロンプトを使ってゲームやリアルタイム3Dコンテンツを簡単に開発できるツール群。
現時点では、プロンプトを打ち込むだけで、素早くトラブルシューティングや必要な情報へのアクセスができるツール「Unity Muse Chat」が提供されており、今後数週間のうちにプロンプトの記述やフリースケッチからアセットやアニメーションを作成する機能を追加する予定だ。
ローカルデバイス上でAI処理を実行できるUNITY SENTIS
Unity SentisはUnityランタイムにAIモデルを組み込むためのクロスプラットフォームツール、Unityで作成したゲーム・アプリを配布(ビルド)する際に、各デバイスのローカル3DエンジンにAIによる処理を組み込めるようになり、クラウドゲーミングの課題である遅延や高負荷が発生しなくなるという。
公開されているデモには、対話応答や合成音声生成などのAI処理を施されたキャラクター「Orb」との会話を見ることができる。
審査済みAIツールを揃えるUnityアセットストア
また、同社が運営する開発者向けツールストア「アセットストア」内に、AIツールを提供するマーケットプレイスを開設したと発表。
キャラクターのセリフやグラフィックのバリエーションなどを生成する「Generative AI」、UnityとOpenAIなどのAI/MLツールとの統合を行なう「AI/ML Integration」、キャラクターや乗り物の振る舞いをシミュレートする「Behavior AI」の3ジャンルで、Unityの審査を通過した開発者支援ツールが利用できるようになっている。
生成AIを利用して作成したグラフィックの使用には、学習元となった画像ソースの権利をどう処理するかという問題が存在するため、「Adobe Firefly」のように権利を提供元がすべて保有していることをセールスポイントにしたプロダクトも登場している。Unityの審査済みAIツールもそのトレンドに沿ったものだと言える。
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