みなさん、ごきげんよう。牛丼大好き、アスキーグルメのナベコです。
牛丼というと「つゆだく」「つゆ抜き」は一般的ですよね。では、「あつしろ」をご存じですか?
吉野家の
幻の特殊注文
牛丼チェーンの中で最も歴史が古い「吉野家」は“築地一号店”において裏技的な特殊注文にも対応していた、というのはちょっと有名な話ですよね。例えば、脂身の多い牛肉を盛り付ける「トロだく」、ご飯の下に牛肉を盛り付ける「肉した」などの注文に対応していました(築地一号店は2018年に市場の移転に伴い閉店)。
特殊注文は、昔からの熟練の店員さんが在籍していた築地一号店でしか対応ができなかったという噂をききます。現在、「つゆだく」「つゆぬき」玉ねぎを抜く「ねぎぬき」などポピュラーな頼み方以外は、基本的に対応する店舗はありません。
参考:【吉野家】1月8日から築地店で約90年間愛され続けた”粋”な食べ方「ねぎだく」が復活!(吉野家リリース)
特殊注文のひとつ、「あつしろ」は、通常よりさらにアツアツのご飯に牛肉を盛り付けること。もちろん、通常のご飯も温かいはずなので、さらにアツアツとはどういうことかちょっと疑問ですよね。
吉野家の広報さんにお尋ねしたところ「炊き立てのご飯で出していた」という回答でした。
一部私の想像ですが、昔は、今よりも小さいお釜で、絶えずご飯を炊いていたと思われます。お客さんの中には「次のお米が炊き上がるなら、それであつしろにして」と要望を出す人がいたということでしょう。
個別に対応していたのはスゴイ!
今や幻となった「あつしろ」を
一部店舗でやっている
実は現在、「あつしろ」を提供しているお店が全国で9店舗のみあります。2020年4月に初導入して以来、実験的に取り入れているとのこと。
今回は実施店のひとつである江古田南口店に行ってきました!
現在のあつしろは昔のあつしろとはやり方がちょっと違います。まず、通常どおり高火力のガス釜で炊いてから、ご飯を適量盛るマシンに移します。注文が入ってご飯を盛り付けてから、さらに特殊なマシンにかけてアツアツにする段取りです。
さっそく頼んでみることにしました。
こちらの店舗では、基本的に「牛丼」も「定食のご飯」も全部があつしろで出されますが(テイクアウト以外)、特別に、普通のご飯とあつしろの両方を出していただきました。
「チーズが溶けるでわかりやすいかな?」といった理由で「チーズ牛丼」の小盛を2種のご飯で用意してもらいましたよ!
見た目ではわからないので持参した温度計で温度を計ってみました。
確かに温度が違う!
正確な環境での測定ではないので、あくまで参考ではあるのですが、温度の差はしっかりと数値に現れました。
温度を測ったりなんやかんやしていると、少しずつチーズの溶け具合に差がでてきたような(まだわかりづらい)。
さらにもう少し時間が置いたのが以下の写真。
どうでしょう、明らかにあつしろのほうがチーズが溶けていますよ! どんどん差が出てきました!
ここまでで、提供からおよそ3分程度だったと思います。アツアツのうちに食べないと意味がないので、このあたりで実際にいただきます!
口に入れた瞬間に明らかに両者の差は分かりました!
通常のご飯は、ほかほかのご飯に熱々の牛肉で、通常の吉野家の牛丼として普通の温かさです。普通だからってさめているなんてことはありませんよ。ですが、あつしろのものはワンランク熱い! 家でご飯を炊いて、炊きあがりのお釜を開けて、すぐに食べた時のような、あのアツアツさです。
大袈裟かもしれませんが上あごがちょっとヤケドしそうなくらいに、「アツッ」てなりました。電子レンジでラップがちぎれるくらいご飯をご飯をあたためた時の熱さを思い出しましたよ。それくらいのアツアツ。
「ご飯が熱いだけで他は同じなんでしょ」とお思いの方、そんなことはありません!
驚きですが、ご飯が熱いと上の具の味わいも違って感じます! 脂がとろけるので通常の牛丼よりアタマが柔らか~く。チーズもご覧のとおり、溶けるのが早くて、すぐにトロトロ。玉ねぎの甘みも増したようで、食べ進みがよくなりました。
またご飯のさめ方も違いますね。あつもりのほうは牛丼を食べ進めていっても熱が残って、最後までホカホカでいただけました。
個人の体感ですが、あつしろのほうが牛肉の旨みも増す感じがして確かにおいしい!
ちなみに、当日商品を提供してくれた店員さんに「あつしろに気が付くお客さんはいますか?」とお尋ねたら「さあ~」と困った笑顔になってしまいました。もしかしたら、該当店舗に通っているお客さんはアツアツでおいしいのが当たり前になっているため、気が付いてないのかもしれません。比較ができないですからね。しかし絶対、ワンランク違うんだな~。
現在はテスト的な導入で、なんでも、通常のご飯にさらに一手間をかけるため、回転が早い店だとオペレーション的な課題もあるようです。
実施しているのは9店舗のみ。取材にうかがった江古田南口店他、都内に複数店舗、大阪、福岡にも実施店舗があるようです。
「あつしろ」と書かれてあるポスターが目印。お近くで見かけたら「ここの吉野家は特別なんだ」と足を運んでみる価値あると思いますよ。現場からは以上でした。
ナベコ
酒好きライター、編集者。酒活動しています。「TVチャンピオン極~KIWAMI~ せんべろ女王決定戦」に参戦するなど。ホットカーペットが気持ちよすぎて床で寝おちして朝陽で気が付く日々。せっかく年始におろしたパジャマを着ないと……。
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