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世界で導入事例が増加中! HTCがデバイスのオールインワン化とシンプルさでXR活用促進の事例を紹介

2023年06月30日 16時00分更新

VIVE

 HTC NIPPONは6月18日、同社のVR/MRヘッドマウントディスプレー「VIVE」シリーズに関する説明会・体験会を東京で実施。オールインワンタイプのVRデバイス「VIVE Focus 3」および今年発売されたXRデバイス「VIVE XR Elite」にフォーカスしており、会場では実際のコンテンツを交えて最新のハードウェアやプラットフォームを体験できた。

 当日はオンラインでの参加者もいたが、その内容は以下のYouTubeにアップされているので、気になる人はチェックしてみよう。

デバイスのオールインワン化と導入のシンプルさでXR活用を促進

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HTC NIPPON株式会社の政田雄也氏

 冒頭の説明会にはHTC NIPPON株式会社の政田雄也氏が登壇。政田氏は現行のXRプラットフォームのトレンドについて、大型VR施設や美術館・博物館といった施設での活用など、世界各国でXRの普及が進みつつある中で、シンプルなオペレーションや利便性に対する要求が高まっていることを指摘。そういった要件を満たすデバイスとして、「VIVE Focus 3」「VIVE XR Elite」が世界中で使われていることをアピールした。

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「VIVE Focus 3」はコンシューマー向けでなく、プロフェッショナルのスタンドアローンのVRヘッドセット。HTCが培ってきたエコシステムによる導入のしやすさにより、複数人向けのVR体験に最適だとしている、

 もともとHTCの主力製品であり、常設型VR施設向けに人気の「VIVE」や「VIVE Pro」シリーズは、高性能なPC、および空間トラッキング用の外部センサーであるベースステーションやVIVEトラッカーを併用することで自由度の高いVR空間を実現している。

 その反面、PCとの有線接続による動きの制限やベースステーションの固定といった制約が生まれる場合もあり、特にオペレーションの煩雑化が課題でもあった。

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オペレーションをシンプル化しやすく、特にマルチプレイタイプのVRコンテンツでの利用に適しているのが「VIVE Focus 3」

 無線接続、かつベースステーションを必要としないオールインワンデバイスである「VIVE Focus 3」であれば、制限も少なく、よりVRコンテンツに集中できる環境を構築しやすくなるというわけだ。

 最大5K/90Hzの高画質レンズ、視野角120度対応、交換式電池の採用などゴーグル自体のポテンシャルも高く、導入からメンテナンスまでを極力シンプルにまとめながら、質の高いVR体験を実現しやすいことが最大のメリットと言える。

 一方のXRデバイス「VIVE XR Elite」は、重量300g以下で軽量かつ可搬性に優れるグラスモード、従来のPCVRコンテンツも楽しめるゴーグルモードを切り替えできるプロダクト。

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VR/MRグラスモードとゴーグルモードを切り替えられる汎用性が売りの「VIVE XR Elite」

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会場内の「VIVE XR Elite」には今後発売予定のMR用ガスケット(ゴーグル上部の額に当たっているパーツ)が装着されていた。ゴーグルと目の距離を話すことで視野を確保し、MRコンテンツを体験しやすくなるという

 MRデバイスとしては、従来のAR対応スマホやグラスよりも広い視野角でコンテンツを体験しやすいため、より高い没入感を実現できる。VRゴーグルの機能を備えつつ、高画質のMRコンテンツを手軽に体験できるという意味では、汎用性の面で大きな利点がある。

 加えてこれらのハードウェアを支えるプラットフォームとなるのが、リモート管理サービスである「VIVE Business+」だ。QRコードを利用したHMDデバイスの迅速な登録やプロジェクトごとのグループ管理、ネットワーク設定やパススルーの一括設定などに対応しており、施設やイベントへの迅速な導入やメンテナンスコストの低下、全体的な費用削減ができるとしている。

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リモート管理サービス「VIVE Business+」を利用すれば、デバイス管理などのオペレーションをさらにシンプル化できる。オペレーターの負担軽減はもちろん、コストダウンにも寄与する

 さらに「VIVE Focus 3」向けにはロケーションベース拡張ソフトを用意しており、カスタムトラッキングの提供、ボタンや通知の制御、ArUcoマーカーのサポートといった要素を加えることで、より幅広い活用にも対応できる。

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「VRゲームのeスポーツ化、キオスク型VRゲームセンターなど、アメリカやヨーロッパを中心にVRに前向きな取り組みが増えている」と政田氏

 こうした取り組みやコンテンツ自体の増加もあり、「世界では大型の導入事例が増えてきている」と政田氏は語る。国内に限って言えば、ここ3年ほどはコロナ禍による逆風もあってXRを導入する施設の普及が思うように進まず、いったんは開設されたものの営業を終了してしまった店舗も多い。

 一方で世界的に見れば、多人数で楽しめるアクティビティである「VR eSports Arena」が数百のゲームセンターに採用されているほか、VRコンテンツのeスポーツ化、サポートする人員を必要としないキオスク型のVRゲームセンターといった前向きな取り組みも多い。

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仮想空間上のエジプトを観光するプロジェクト「Horizon of Khufu」のようなゲーム以外の取り組みも

 美術館や博物館といった学術分野での活用も進んでおり、政田氏からはフランス・リヨンで開催された仮想空間上のエジプトを観光するプロジェクト「Horizon of Khufu」のような試みが紹介された。「VIVE XR Elite」「VIVE Focus 3」の投入により、こうした普及の流れがさらに加速していく可能性もあり、今後の動向にも注視したいところだ。

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