シャープのカメラスマホ「AQUOS R8 pro」は1型センサーとバッテリー長持ちが最大の魅力
シャープの新しいフラッグシップスマートフォン「AQUOS R8 Pro」は、ライカカメラ監修の1型センサーカメラを搭載した前機種「AQUOS R7」の特徴を引き継ぎながらも、新たに「14chスペクトルセンサー」を搭載するなどして、さらなるカメラ機能を強化したほか、そのカメラのリングから熱を放出して高いパフォーマンスを長く維持する「サーモマネジメントシステム」を備えるなどの強化がなされたモデルだ。発売前の実機からその進化ポイントを確認してみよう。
デザインは「AQUOS R7」を踏襲もリングは大きく
まずは外観を確認すると、ディスプレーは約6.6型でサイズは約77×161×9.3mm、重量は約203gとなる。前機種のAQUOS R7がディスプレーと本体のサイズが同じで、重量は約208gであったことからやや軽くなっているものの、ほぼ同等のサイズ感といえるだろう。
ディスプレーもシャープ独自の有機ELを採用しており、クアルコムの「Qualcomm 3D Sonic Max」を採用した3D超音波によるディスプレー内蔵型指紋センサーも継続して搭載している。画面ロックの解除にはフロントカメラによる顔認証(マスク対応)も利用できるが、決済に利用する際にスピーディーな指紋認証ができるのはうれしい。
それゆえ背面デザインも近く、最近のAQUOSシリーズに共通しているメインカメラ部分をリングで強調したデザインと、AQUOS R7で取り入れられたマットでサラサラした質感は共通している。ただ、リング部分は後述するサーモマネジメントシステムの影響からか、AQUOS R7と比べると一回り大きくなっておりより存在感を増している。
カメラ部分の出っ張りは3段構成になっていることから、2段構成だったAQUOS R7と比べると引っ掛かりにくくはなっている。ただ出っ張りの高さ自体はあまり変わっておらず、背面を下にして机などに置くと傾きが気になった。
側面もアルミ素材のマットな質感で、電源キーと音量キーは右側面に集中して配置。底面にはUSB Type-C端子、上部には3.5mmのイヤホン端子も備わっている。こうした点もAQUOS R7と共通しているようだ。
カメラは新たなセンサーの搭載で色合いを自然に
続いてカメラを確認すると、背面のメインカメラは約4720万画素/F値1.9で1型のイメージセンサーを採用した、ライカカメラ監修カメラの1眼構成だが、距離測定用にもう1つ、約190万画素のカメラも備わっている。その内容自体はAQUOS R7と共通しており、他社のフラッグシップモデルのようにセンサーなどが大きく進化しているわけではない。
劇的な進化を期待した人には残念だが、1型センサーの性能の高さと、AQUOS R7で大幅に改善がなされたオートフォーカスはAQUOS R8 proでも継続しているので性能の高さは折り紙付きだ。では、どのような点が進化しているのかというと、新たに「14chスペクトルセンサー」を搭載したことである。
これは600種類もの光源を判定するもので、色の判別が難しい暗い場所などでも正確な色を判別し、見た目に忠実な色合いを再現するというもの。実際に夜や暗い場所で何度か撮影を試してみたのだが、暗さに引きずられることなく見た目と大きく変わらない色合いを実現できているようだ。
一方でセンサーサイズが大きいがゆえに、被写体に近づきすぎると背景がぼやけてしまいやすい点は従来と共通した弱点といえる。AQUOS R8 proはデジタルズーム(最大6倍)で撮影しても画質があまり劣化せず綺麗に写せることから、意図的に背景をぼかすなどの表現を加えたいのでなければ、被写体に近づく際にはズームを活用した方がよさそうだ。
なお、フロントカメラは約1260万画素/F値2.3と、こちらもカメラ自体は大きく変わっていない。ポートレート撮影時に背景ぼかしだけでなく、美肌・小顔などの細かな調整ができるのも、最近は対応機種が減っているだけに引き続きのメリットといえるだろう。
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