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小さいのに、史上最高の性能を発揮するMac Studio

 6月6日にアップル本社で開催された世界開発者会議「WWDC23」の基調講演で、M2世代のチップセットを搭載したMac Studioが発表された。Mac Studioはビデオ編集などの負荷の多い作業に向いたデスクトップ型の高性能機。高性能ながら、設置面積は19 .7cm四方とコンパクト。今回追加されたMac Studioは、M2 Max搭載機(29万8800円〜)と、M2 Ultra搭載機(59万8800円〜)の2ライン。発売は6月13日。今回、上位モデルのM2 Ultra搭載機を試用できたので紹介しよう。

便利なフロントのポートは、M2 MaxではUSB-C、M2 UltraではThunderbolt 4ポートとなる

 この小さな箱が地上最速のMacだとは信じられない。動作音も極めて静か。設置面積はMac miniと同じ19.7cm四方。高さは少し高くて9.5cm(Mac miniは、3.58cm)。

 現在、Macのモニター別体のデスクトップラインは、2ラインになっており、M2、M2 Proを搭載するのがMac mini、M2 Max、M2 Ultraを搭載するのが、Mac Studioとなっている。

 Mシリーズチップは、コアをたくさん積む事で速度アップを図る設計なので、非常におおまかに説明すると(正確には違うが)、M2の2倍がM2 Pro、その2倍がM2 Max、その2倍がM2 Ultraという考え方で作られている。

テスト機はなんと99万800円の高性能モデル

 アップルから記事執筆用に借用したMac Studioは、最上位チップセットのM2 Ultra搭載機。しかも、24コア CPU、76コア(!)GPU、128GBユニファイドメモリー、4TB SSDという豪華仕様。最大値でいえば、メモリーは192GB、ストレージは8TBまで搭載可能だが、事実上最大パフォーマンスのMacといえるだろう。

もちろん、Studio Displayがピッタリフィット。A13 Bionicを内蔵しており、センターフレーム、空間オーディオ、Hey Siriなどに対応

 アップルのストアで同じ商品構成を作ってみると、99万800円となった(メモリーとストレージを最大まで積むと127万800円)。もちろん、安くはないが、前世代のMac Proのフル装備が700万円超であったことを考えると、リーズナブル。そして、実際多くの場面で、前世代のMac Proの性能を大きく超えるのだから、素晴らしい。

 ちなみに、今回Mac Studioと同時に発表されたMac Proが搭載できるチップセットも、Mac Studioと同じM2 Ultraまでなので、Mac Studioにせよ、Mac Proにせよ、このM2 Ultra搭載機が現時点での「最速のMac」ということになる。

 Mac Proは前述のMac Studioと同じ最大構成で172万800円と、同一性能でも50万円ほど高価になる。インテルCPUの発熱を抑えるために穴のいっぱい空いた本体ボディと、3つの巨大な軸流ファンを持ってるMac Proのボディに、Apple Siliconを搭載するのはどうも不似合いな気がする。言うなれば、アメ車のボディに発熱の少ないEVのパワーユニットを積むようなものだ。

Mac Studioの冷却用エアは底面から吸う

 この件についてアップルに聞いたところ、Mac Proのアドバンテージは、7つのPCIeスロットにあり、発熱の大きなオーディオ、ビデオの入出力、ネットワーク接続、ストレージカードなどを搭載しても、問題なく動作するところにあるという。拡張性がMac Proのアドバンテージであることは確かだが、多くの人の必要性は、コストパフォーマンスの高いM2 Ultra搭載Mac Studioでまかなえると思うので、Mac Proはかなりニッチなニーズのためだけに存在するように思える。

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