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情シス担当者の“汗と涙”を可視化! PCライフサイクルの4年間でどれだけコストメリットが生まれるか

結局こんなにオトクだった! インテル® vPro® 搭載PCのコスト削減効果を試算してみた

2023年07月03日 11時00分更新

試算するモデルケースの設定(PC1000台/500台/100台)

 前置きが長くなったが、本記事の主題である「vPro® 搭載PCでいくらオトク?」の試算に進みたい。今回はモデルケースとして、ビジネスPCが1000台/500台/100台の企業で、PCライフサイクルを4年間と設定し、運用管理作業においてどの程度の「見えないコスト」が発生し、vPro® 搭載PCがそのコストをどれだけ削減できるのか考えてみる。

 なおPC運用管理作業に要する時間や、vPro® 搭載による作業削減率については、調査会社のForrester Resarchが企業調査を実施したレポート「The Total Economic Impact™ Of The Intel® vPro® Platform」(以下「TEIレポート」と略記)を参照した。また情シス担当者の平均時給は、厚生労働省「賃金構造基本統計調査」のデータに基づき「3000円/時間」と設定する※本文末注。これらの数字は、読者の皆さんそれぞれの実態に合わせて読み替えていただければ幸いだ。

vPro® コストメリット試算:ヘルプデスク業務は大幅に効率化

 ヘルプデスク(社内ユーザーサポート)業務は、以下の条件で試算してみた。

・PC1台(1ユーザー)あたり年間2件のサポート依頼が発生し、1件の処理に45分かかる
・PC1台あたり年間0.5件のセキュリティサポート依頼が発生し、1件の処理に90分かかる

 さらにTEIレポートに基づき、vPro® 搭載PCの導入効果については次のとおりとした。vPro® 搭載PCはビジネス向けPCとして高いパフォーマンスを持ち、ハードウェアベースのセキュリティ機能も備えるためトラブルやセキュリティ被害そのものが減る。加えて、リモート管理機能によって管理作業の時短も実現するというわけだ。

・vPro® 搭載PCでは、サポート依頼件数が平均34%低減する
・vPro® 搭載PCでは、サポート解決時間が平均50%短縮される

 これらの数字に基づいて、ヘルプデスク業務の「見えないコスト」やvPro® 搭載PC導入によるコスト削減効果を計算すると、次の図のようになった。ヘルプデスク業務だけを考えても、すでにこれだけの効果が見込めるのだ。

ヘルプデスク業務のコスト試算(作業時間と情シス担当者の時給に基づく)。vPro® 搭載PCの導入で作業時間が大きく減り、大きなコスト差が出ることがわかる

vPro® コストメリット試算:マスターイメージ展開とパッチ適用業務

 続いて、PCへのマスターイメージ展開と社内PCへのパッチ(アップデート)適用の業務について見てみよう。

 PCの調達後、自社環境に合わせた設定やアプリケーションのインストールを行うのがマスターイメージの展開だ。一方で、セキュアかつトラブルのない動作を維持するために、OSやアプリケーション、ファームウェアなどの定期的なパッチ作業も欠かせない。

 多くの場合、大量のPCに対してこれらの作業をリモートから一括で行えるツールが利用されている。ただしTEIレポートでは、それらの処理が一定の割合で失敗し、手作業による修復や駆けつけサポートが必要になるという課題を指摘している。

 マスターイメージ展開、パッチ適用の業務については次の条件で試算を行う。なお今回はPCライフサイクルを4年間としたため、毎年全体台数の4分の1ずつ更新されることになる。ただしライフサイクルの途中で故障や不具合が起きることも考え、10%の予備機(代替機)も保持するよう設定する。

毎年全体の4分の1のPCが入れ替わり、予備機も10%用意する(=マスターイメージ展開の実施台数)
・マスターイメージ展開に失敗した場合、その修正にPC1台あたり90分かかる
・パッチ適用に失敗した場合、その修正にPC1台あたり30分かかる

 さらにTEIレポートでは、vPro® 搭載PCの導入によってマスターイメージ適用で5%、パッチ適用で3%の失敗回避(成功率改善)が見込めるとしているので、その数字を使って試算する。

 試算した結果は以下のとおりだ。なおこちらは前出の図とは異なり、vPro® 搭載PCの導入でどれだけコスト削減できるかを直接試算している点にはご注意いただきたい。

マスターイメージ展開とパッチ適用業務の試算結果

 先ほどのヘルプデスク業務ほどではないが、4年間で考えるとかなり大きな「見えないコスト」の削減につながることがわかる。

 ここで、vPro® 搭載PCの優位点となるのが「インテル® ステーブルITプラットフォーム・プログラム(インテル® SIPP)」だ。これはOEM(PCメーカー)と連携して、最短でも15カ月間または次世代のリリースまで、PCに搭載する各種コンポーネント(CPU、チップセット、有線/無線LANモジュール)を変更しないことを保証するプログラムである。

 インテル® SIPPがあるおかげで、新たに調達したPCのコンポーネントが変更されていてマスターイメージ(ドライバ)の展開に失敗する、といったトラブルを回避できる。PCが故障して追加調達する場合も、vPro® 搭載PCならば安心して同一構成のPCが調達できるわけだ。

 またTEIレポートでは、インテル® SIPPのPC導入によってパッチ適用時のドライバ不具合などが回避され、社内のパッチ適用率が向上する効果もあると報告している。調査対象企業の平均では、パッチリリース後の1カ月経っても70~80%にとどまっていた適用率が、導入後は90~95%まで向上したという。パッチ適用漏れのPCが減れば、トラブルの発生やサイバー攻撃被害なども減ることになり、最終的にはサポート業務の時間削減につながってくる。

vPro® コストメリット試算:最大のメリットは「社員の生産性向上」

 このほかにもvPro® 搭載PCの導入によるコストメリットは多く考えられる。たとえば「社員の生産性向上」だ。

 先に述べたとおり、vPro® 搭載PCではサポート要請件数が減り、サポート対応時間も短縮される。裏を返せばこれは、PCの不調によって社員の業務が滞る場面が減る、ということである。

 また、vPro® 搭載PCは高いパフォーマンスを備えるため、日常業務そのものの効率もアップする。加えて、安心してリモートワーク/ハイブリッドワークができるPC環境も提供し、柔軟な働き方の実現にも寄与する。

 社員が働きやすくなるこうした効果をまとめて、TEIレポートでは、vPro® 搭載PCの導入により「社員1人あたり月に2時間の生産性向上効果がある」と評価している。生産性向上=ムダな労働時間が減る(コスト削減)と考えて、これを金額に換算するといくらになるのか、試算してみよう。

 前出の厚労省 賃金構造基本統計調査に基づき、全産業の平均時給を計算すると2608円だった。つまり、毎月2時間の生産性向上は「毎月5216円のコスト削減」に相当する。ここに社員数と月数をかければ、PCライフサイクル全体でのコスト削減効果が試算できる。

 試算した結果は以下のとおりだ。「毎月2時間」というとわずかな効果に思えるが、対象人数(社員数)が多いため、実際には非常に大きなコスト削減効果を生むことがわかる。

社員の生産性向上によるコスト削減効果の試算結果

 そのほかにも、これまで導入していたPC運用管理用ツールやPCセキュリティツールをインテル® EMAやインテル® AMTで代替できれば、そこにもコストメリットが生まれる。長期的なライセンスコストを考えれば、大きなコスト圧縮につながるはずだ。

 もちろん、vPro® 搭載PCの導入でコストが増える部分もある。同等のスペックを持つビジネスPCどうしで比較すると、vPro® 搭載PCのほうが割高であるのは事実だ。またインテル® EMA自体は無償で使えるものの、それを稼働させるサーバーの構築運用コストは別途かかる。こうした追加コストも検討しなければならない。

 それでもほとんどのケースでは、vPro® 搭載PC導入によるコストメリットのほうが、追加コストを圧倒的に上回ることになるはずだ。皆さんの会社においてどの程度のコストメリットが得られそうか、ぜひ試算してみてほしい。

* * *

 ここまで本記事ではvPro® 搭載PC導入によるコスト面でのメリットだけを考えてきた。ただし、本当のメリットはPC運用管理にまつわる情シス担当者の業務負担が軽減され、そこに費やされてきた“汗と涙(=時間と労力)”が、新たなIT活用のプロジェクトなどに生かせるようになることだろう。

 インテルでは情シス担当者を“ITヒーロー”と位置づけているが、vPro® はそんなITヒーローの本領発揮をサポートするためのテクノロジーだ。「新しい取り組みを進めたいが、人手不足で思うようにいかない」と前向きに悩んでいる情シス担当者にこそ、vPro® 搭載PCがもたらすメリットの大きさが理解できるのではないだろうか。

(提供:インテル)

※脚注:本記事では厚生労働省の「令和4年 賃金構造基本統計調査」に基づき、平均年収を年間平均労働時間で割るかたちで平均時給を算出した。以下のとおり職種分類や企業規模でばらつきがあるため、本記事では平均をとって情シス担当者は「平均時給3000円」と設定した。全産業平均の「平均時給2608円」も同様である。

●システムコンサルタント・設計者/企業規模(10人以上):平均年収 660万4000円、月間平均労働時間 178時間=平均時給 3092円 ●同/企業規模(1000人以上):平均年収 788万5900円、月間平均労働時間 179時間=平均時給 3671円
●その他の情報処理・通信技術者/企業規模(10人以上):平均年収 534万6100円、月間平均労働時間 177時間=平均時給 2517円 ●同/企業規模(1000人以上):平均年収 602万8600円、月間平均労働時間 177時間=平均時給 2838円
●全産業労働者/企業規模(10人以上):平均年収 484万5000円、月間平均労働時間 179時間=平均時給 2257円 ●同/企業規模(1000人以上):平均年収 554万9900円、月間平均労働時間 177時間=平均時給 2608円
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