血圧測定できるスマートウォッチはまだ種類があまりありません。ファーウェイが6月に日本で発表したばかりの「HUAWEI Watch D」やオムロンの「HeartGuide」は、スマートウォッチのベルトの内側に空気を膨らませて血管を圧迫する「カフ」を備えた、血圧計と同じ測定方法の製品です。しかし構造が複雑になり価格もやや割高です。
一方、海外ではより簡素に血圧を測る方法として光電容積脈波(PPG)を使ったスマートウォッチが販売されています。ASUSの「Vivo Watch 5」もその1つ。2023年5月末に台湾・台北で開催されたCOMPUTEX 2023のASUSブースで実際にVivo Watch 5で血圧を測ってみました。
Vivo Watch 5の簡単なスペックはディスプレーが省電力にも優れた反射型LCDを採用、バッテリーは300mAhで通常使用で約10日、省電力モードで約14日間持ちます。本体重量はシリコンベルト込みで74g。本体背面のセンサーで心拍数、SpO2、皮膚温度、血圧の測定に対応します。もちろん各種アクティビティーに対応し運動量の計測も可能、睡眠状態も計測できます。
血圧の測定は本体側面のPPGセンサー2つを使って行ないます。椅子に座るなど平穏な状態にしてから指先でVivo Watch 5をはさむようにして測定をします。反射型液晶はカラー表示タイプなので、測定方法の図示では時計のどの部分をタッチするかをわかりやすく指示してくれます。
実際に測定をしてみました。指先を本体側面にタッチさせると測定開始。パーセント表示が指示され100%になるまでそのまま待つと、約30秒で測定が終わり画面に血圧が表示されます。
測定結果はASUS HealthConnectアプリに保存されます。腕を圧迫するカフ式の血圧計より精度は低いようですが、毎日測定を繰り返せば血圧の傾向を取ることができるでしょう。またスポーツクラブやサウナなどに行った時、腕を使う血圧計があれば同時に測定してみて、Vivo Watch 5の測定結果と比較することで測定値の補正にもなるでしょう。
体調がちょっと悪い時など、スマートウォッチで心拍数を測定する人も多いでしょう。それに加えて血圧も測定できれば安心ですよね。とはいえ、血圧測定は健康に直結するシビアなものなので、国ごとに規制が厳格なのも事実です。Vivo Watch 5も現在は台湾など一部の国でしか販売されていません。センサー精度の向上やAIの活用が進み、いずれすべてのスマートウォッチへ血圧測定機能が搭載さるようになる日がいつか来るかもしれませんね。
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