東京大学国際ミュオグラフィ連携研究機構、同大学生産技術研究所、日本電気(NEC)、テクノランドコーポレーション、カターニア大学、ダラム大学、北京大学の7者は6月16日、世界初の「ミュー粒子」を使った地下ナビゲーション技術「muPS」の開発に成功したと発表した。
ミュー粒子は、超新星爆発など宇宙空間での高エネルギーイベントによって加速される宇宙線と地球の大気が反応してできる素粒子。透過性が強く、人工物をほぼ真空中の光速度で通過可能という特徴をもっている。
今回発表されたのは、地下空間のナビゲーション(位置情報検出)にミュー粒子を活用する取り組み。地下空間では電波が届かず利用できないGPSの代わりに、土や地下の構造物を透過できるミュー粒子を使い、ユーザーの正確な位置を特定するというものだ。
システムは地上局とユーザー側の端末の2つで構成。精度は目標の1mには及ばなかったものの、都市内におけるGPS単独測位精度よりも高い精度を実現できたという。
本技術は地下空間のほか、屋内や海中での位置特定にも応用可能。時計関係の改善が必要だが、将来的には自立移動ロボットにも搭載できるようになる見込みだ。
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