実店舗では販売員に相談しながら構成が決められる
実店舗では決まった構成のモデルしかないと思い込み「今のところオンラインでのBTO注文しか試したことがない」という人も多いはず。実店舗でBTO PCを購入するメリットはどんなところにあるのか、実際どのような人が利用しているのかが気になるところ。本稿では実際に「ソフマップAKIBA パソコン・デジタル館」を訪れ、BTOコーナーを担当する株式会社ソフマップの石上 司氏(以下、敬称略)にお話をうかがった。
――オンライン通販が隆盛する昨今では、「店舗でBTO PCを注文する」という行為に馴染みがない方も多いのではないかと思います。ずばり、店舗でBTO PCを購入する魅力はどんなところにあるのでしょうか?
石上:「わざわざ実店舗に来てBTO PCを注文するの?」と思われるかもしれませんが、ソフマップでのBTO受付は、知見のある販売員に相談しながら構成を決められる点に非常に大きなメリットがあると考えています。
量販店を使う利点のひとつに「その商品カテゴリ全体の相場を参照しやすい」ことがありますが、特にハイスペックPCの価格相場が分からないという方にとっては、実際に売り場を見つつ、「このPCは性能がいいですよ、しかもこの構成ならお得に買えます」というようなBTOの強みを的確にお伝えできるのは大きいですよね。
――ゲーミングPCだと安くても10万円前後からスタートですし、価格の幅もあるので、そこで迷ってしまう方は多いでしょうね。
石上:あとは、BTOの注文って実はけっこうテクニックが必要なんですよね。たとえばGPUにGeForce RTX 3070を搭載したゲーミングPCを購入したいとき、素直にRTX 3070搭載モデルを指定するよりも、RTX 3060搭載モデルのGPUをRTX 3070変更したほうが同じ構成でより安価になる、みたいな場合もありえるんです。
また、時期によってはすごい掘り出し物があったりもします。本来40万円は超えてくるだろう、という構成のモデルを30万円以下でご案内できたりとか。自分ひとりで選ぶよりも、そういう情報をしっかり追っている販売員が隣にいると安心感もあるし、説得力は上がるのかなと。
――実際、BTOコーナーを利用されるのはどのようなユーザーの方なのでしょうか?
石上:ゲームを遊ぶためのパソコンが欲しい小学生の方が保護者同伴でご来店されたりとか、YouTubeなどで配信をされる大人の方、退職されてドライブやフライト系シミュレーションを動かしたいご年配の方まで、年齢層はかなり幅広いですね。
「パソコンはよく分からない」という方はもちろん、ある程度知識がある方もいらっしゃいますし、バランスとしてはそれぞれ50%ぐらいかなといった印象です。「インターネットで検索をかけても上の方に出てくるページが変わらないから、もっと違う選択肢が欲しい」ということで来店される方のお話はよく伺います。昔に比べて、カジュアルにパソコンを楽しむ方がずいぶん増えていると思います。
――特にこういったユーザーの方が多い、というのはありますか?
石上:ボリュームが多いのは『マインクラフト』や『フォートナイト』をプレイしたい学生の方。大体はお父さんやお母さんと一緒にご来店されるんですが、ご両親が高価なパソコンを必要な理由に納得していないことが多いんですよね。
「ゲーム機があるのに何でパソコンが必要なの?」というところを、お子さんが上手く伝えきれていない。そういうお客様だと、実際にこちらでお話をして、納得していただくところからスタートすることが多いです。最近はそういう親子間の繋ぎの部分をよくしていますね。
――ゲーミングPCが若年層に浸透してきているんですね。
石上:かなり多くなっています。以前びっくりしたのは、ある時「とにかくいいパソコンを用意してほしい」という男性のお客さんが来て、「どうしたんですか?」と聞いたら、「小学生の息子がゲーム機でゲームをしてると対戦ゲームで仲間に入れてもらえない」と……。
要するに、ゲーミングPCとゲーム機ではスペックに差があるので、周りの友達がそれを嫌がってパーティを組んでくれないということがあったらしいんですね。そんな時代が来てるんだなと思って衝撃を受けました。
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