「Vision Pro」はヘッドセットのロールスロイス
(フリーライター・ジャイアン鈴木)
基調講演を見た最初の感想は「複合現実ヘッドセットのロールスロイスだな」ということです。ノートブックにも使われている「M2」などのプロセッサー、合計2300万ピクセルのOLEDディスプレー、目元を映す前面ディスプレー、空間オーディオ対応のスピーカー、12のカメラ、5つのセンサー、6つのマイクなどが搭載されているということは、MacBook、AirPods、デジタルカメラなどの構成パーツが組み込まれているわけです。3499ドル(約50万円、税抜)という価格自体には、あまり驚きはありませんでした。約50万円という為替レートから算出した予想価格は円安が全部悪いのです。
「Vision Pro」は“なんとかR”ではない
(VRジャーナリスト・広田 稔)
基調講演や製品紹介ページを見ていて気になったのは、「なんとかR」と言わずに、「空間コンピューター」をうたっている点。2Dのウィンドウを空間で扱えるデモを前面に押し出し、「空間コンピューター」というラベルをつけた。Vision Proが目指すのはウェアラブルコンピューターで、Mac→iPhone→Apple Watchとパーソナルコンピューターを24時間365日肌身離さず持ち運べるようにしてきた流れの先に、Vision Proがあるのだなぁと感じた。
「Vision Pro」がすごいのは“普通”であること
(フリージャーナリスト・西田 宗千佳)
「Apple Vision Pro」は「すごい」と言われる。一番すごいのは「普通」であることかもしれない。Vision Proは「目の前にあって、今自分が見ている風景」を取り込み、その上にアプリを並べる、という手法だ。本当に「肉眼で見たまま」なので、歩いても不安はないし、冷蔵庫の中からビールをとるのも、同僚からカードを受け取るのも、肉眼の時と同じ感覚でできる。空間に浮かんだCGを操作する世界は、もうSFの中のものではない。
「Vision Pro」はアップル技術の集大成
(スマホ/ケータイジャーナリスト・石川 温)
アップルは視線入力という全く新しい操作性をつくりあげてしまった。この感動は、初めてiPhoneを触り、タッチパネルで操作したとき以来のものだったりもする。Apple Vision ProにはM2チップも入っている。他社はヘッドマウントディスプレイ向けのプラットフォームやハードウェアは作れても、それに最適なチップまで手がけるというのは相当、無理がある。このあたり、垂直統合で差別化してきたアップルに相当なアドバンテージがあるといえそうだ。
「Vision Pro」はメガネなしでも快適だった
(フリーライター・山本 敦)
「Apple Vision Proはメガネユーザーにもやさしいデバイスなのか?」筆者が一番気にしていたポイントはここでした。本体を後頭部から固定するヘッドバンドと、遮光パーツの「ライトシール」はユーザーの頭・顔の形状にフィットする複数のサイズから選べます。それぞれに最適なサイズを見つけて、さらにアップルがカール・ツァイスと共同開発した「光学インサート(視力に合わせて作る補正レンズ)」を装着すると、裸眼のままくっきりと鮮明な4K映像が楽しめました。
アップル初のヘッドセット「Vision Pro」とは
アップルが発表した初のヘッドセット「Apple Vision Pro」。2024年初頭に米国で発売し、価格は3499ドル(約50万円、税抜)。米国以外では2024年後半に販売を開始する予定だ。このヘッドセットは「空間コンピュータ」として、外部の世界や人物と切り離されていない空間を実現し、目や手、指先だけの自然で直感的な操作が可能だ。また、視界一杯に表示している状況で、誰かが話しかけてきたときはその人が自動で表示されるなど、革新的な機能を持つ。
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