iPhone 8/X非対応、iOS 17に見るアップル製品のこれから(本田雅一)
「ベースラインが揃った」翌年にも期待
いやいや、Macに関しては「Neural Engineがない機種でもサポートされているじゃないか」というだろうが、コンピューティングパワーが大きく電力消費にも寛容なMacならば、ある程度はカバーできるはずだ。それに一部の機能はApple Siliconオンリーにもなっている。
この数年で、iPhone、iPad、MacのOSは機能の統合、統一が進んできており、iOS 17/iPadOS 17/macOS Sonomaではその傾向がさらに強まっている。macOS Sonomaの発表時には「iOS 17/iPadOS 17で説明した新機能はMacでも使えるよ」と簡略化してアナウンスしたのは、OSの核となる部分の融合がかなり進んだことを意味している。
その上で推論エンジンのベースラインが揃ってくれば、現在以上に自然言語処理系(音声認識、文字認識、発話など。ちなみに今回は音声認識モデルがアップグレードされたとアナウンスされた)の「具合」はより良くなる。
推論エンジンの進化は、応答性が高まったり、あっという間に処理が終わるといった数値化しやすいパフォーマンスよりも「より使いやすく手放せない」「精度が高く安心して任せられる」といった面での違いに現れることが多くなる。
「俺たちのiPhone 8/Xを切り捨てやがって!」という気持ちも理解できるが、ベースラインが揃ったことで、今年のOSはその使い心地(字面だけではわからない使い心地だ)が上がっていることに期待したいが、さらに来年、底上げされたNeural Engineの演算力の上で何をやってくれるのかが楽しみだ。その成果は、(一部を除けば)端末を買い替えなくとも味わうことができるだろう。
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