週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

iPhone 8/X非対応、iOS 17に見るアップル製品のこれから(本田雅一)

2023年06月09日 07時30分更新

2020年11月にM1を搭載したMacBook AirとMacBook Proが発表された

「ベースラインが揃った」翌年にも期待

 いやいや、Macに関しては「Neural Engineがない機種でもサポートされているじゃないか」というだろうが、コンピューティングパワーが大きく電力消費にも寛容なMacならば、ある程度はカバーできるはずだ。それに一部の機能はApple Siliconオンリーにもなっている。

 この数年で、iPhone、iPad、MacのOSは機能の統合、統一が進んできており、iOS 17/iPadOS 17/macOS Sonomaではその傾向がさらに強まっている。macOS Sonomaの発表時には「iOS 17/iPadOS 17で説明した新機能はMacでも使えるよ」と簡略化してアナウンスしたのは、OSの核となる部分の融合がかなり進んだことを意味している。

 その上で推論エンジンのベースラインが揃ってくれば、現在以上に自然言語処理系(音声認識、文字認識、発話など。ちなみに今回は音声認識モデルがアップグレードされたとアナウンスされた)の「具合」はより良くなる。

 推論エンジンの進化は、応答性が高まったり、あっという間に処理が終わるといった数値化しやすいパフォーマンスよりも「より使いやすく手放せない」「精度が高く安心して任せられる」といった面での違いに現れることが多くなる。

 「俺たちのiPhone 8/Xを切り捨てやがって!」という気持ちも理解できるが、ベースラインが揃ったことで、今年のOSはその使い心地(字面だけではわからない使い心地だ)が上がっていることに期待したいが、さらに来年、底上げされたNeural Engineの演算力の上で何をやってくれるのかが楽しみだ。その成果は、(一部を除けば)端末を買い替えなくとも味わうことができるだろう。

 

筆者紹介――本田雅一
 ジャーナリスト、コラムニスト。ネット社会、スマホなどテック製品のトレンドを分析、コラムを執筆するネット/デジタルトレンド分析家。ネットやテックデバイスの普及を背景にした、現代のさまざまな社会問題やトレンドについて、テクノロジ、ビジネス、コンシューマなど多様な視点から森羅万象さまざまなジャンルを分析する。

 

■関連サイト

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この特集の記事