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ソニー「Xperia 1 V」は新開発のイメージセンサーで写真や映像の撮影がより快適

2023年06月11日 12時00分更新

動画撮影関連の機能も強化
縦画面撮影もしやすく

 加えて「Photography Pro」、そして動画撮影の「Videography Pro」には新たに「S-Cinetone for mobile」が追加されている。これはソニーのプロ向け映像制作カメラやデジタル一眼レフカメラなどに搭載されいている機能を、スマートフォン向けに調整して投入したもので、人の肌の質感を自然に映し出す画作りに特徴がある。

 Photography ProやVideography Proには6つのクリエイティブルックが搭載されており、撮影時に好みのものを選ぶことができる。メインカメラだけでなくフロントカメラで撮影する時にも活用できるので、本格的な映像撮影だけでなく、VLogやセルフィーの撮影などにも役立てられるだろう。

肌の色に特徴を持つ6つのクリエイティブルックを選んでの撮影が可能。こちらはフロントカメラを用い、デフォルトの「ST」で撮影した場合

こちらは「VV」で撮影した場合。全体的にビビッドでよりくっきりした色合いに変わっていることがわかる

 他にも動画関連の機能強化が図られており、商品にフォーカスを当てる「商品レビュー用設定」や、背面のカメラ部分にもマイクが追加され、撮影時の音声をより鮮明に録音できるようになった。

 だが、よりうれしいと感じる人が多いのは、「Photography Pro」「Videography Pro」のインターフェースが縦画面で使えるようになったことではないだろうか。最近ではスマートフォンで視聴しやすい縦画面動画を使う機会が増えているだけに、縦画面でもプロ級のクオリティーで撮影しやすいことは大きなメリットだ。

「Photography Pro」「Videography Pro」ともにインターフェースが縦画面撮影にも対応。縦画面の動画や写真も撮影しやすくなった

 ちなみにフロントカメラは約1200万画素/F値2.0と、従来と大きな違いはない。とはいえ縦画面で撮影しやすくなったので、VLogなどにはより活用しやすくなったといえそうだ。

基本性能は非常に高くゲームでプレイも満足

 基本性能を確認すると、Xperia 1 Vはチップセットにクアルコム製のハイエンド向けとなる最新の「Snapdragon 8 Gen 2」を搭載しており、キャリア各社向けのモデルはメモリー12GB、ストレージ256GB、SIMフリーモデルはメモリー16GB/ストレージ512GBとなる。現行のハイエンドモデルとしてはスタンダードだが性能は非常に高く、それに加えてmicroSDで1TBまでのストレージ追加ができるのというのも、映像に力を入れているXperia 1 Vでは大きなポイントといえる。

 試作機ということもありベンチマークを取ることはできなかったことからゲームで性能を確認すると、「PUBG MOBILE」のグラフィック設定はクオリティーが「FHD」でフレーム設定が「ウルトラ」まで。「原神」のグラフィック設定は初期状態で「中」だが、「最高」かつフレームレートを60、モーションブラーを「非常に高い」にするなど最上位の設定でプレイしても、よほどのことがない処理落ちなどが起きることはなかった。

「PUBG MOBILE」のグラフィック設定はクオリティーが「FHD」、フレーム設定が「ウルトラ」まで上げることが可能。現行のAndroidスマートフォンでは最上位の設定となる

「原神」のグラフィック設定は初期状態で「中」。だが最上位の設定に変更しても快適にプレイできる

 それゆえ性能面では文句なしといえるのだが、発熱はどうか。原神を1時間ほどプレイして表面の温度を測ってみたのだが、前面は45度、背面は43度以下という状況であった。熱いとは感じるがプレイに支障が出るほどではなく、熱によるパフォーマンス低下も感じられなかった。

「原神」をプレイして端末の表面温度を測定。最も熱くなる本体左側(縦にした状態で上部)でも45度は超えなかった

 さらに言えばXperia 1 Vは、ゲームの冷却を強化したり、出力を増やしたりできる「Xperia Stream」にも対応している。ゲームにこだわるなら、そちらを使うことでより冷却効果を高められるだろう。

 またゲームプレイ中に利用できる「Game enhancer」にも進化ポイントがいくつかあり、中でも多くの人が恩恵を得られそうなのが、シャッターキーを押してスクリーンショットを撮影できるようになったこと。これを利用するにはGame enhancerの「HWBショートカット」の設定から「クイックスクリーンショット」を選べばよく、ゲーム中に最適なタイミングでスクリーンショットを撮影しやすくなることから有効活用したい。

「Game enhancer」の「HWBショートカット」の設定を変えることで、ゲーム中にシャッターキーを押してスクリーンショットの撮影ができるようになったのはうれしい

 なおバッテリーは5000mAhと、現行のハイエンドモデルとしては一般的だが大容量。急速充電だけでなくワイヤレス充電や、バッテリーの負荷を抑えながら充電する「いたわり充電」にも対応するのも従来モデルと同様だ。

 最後に通信に関してだが、Xperia 1 Vは物理SIM(nanoSIM)とeSIMのデュアルSIM機構で、5Gにも対応するが携帯各社向けのモデルとSIMフリーモデルとでミリ波への対応が異なる。SIMフリーモデルはメモリーやストレージが多い一方、ミリ波には対応していないので通信性能に期待する人は注意しよう。

SIMスロットは1つでeSIMの利用も可能。トレイの裏側にはmicroSDを装着できる

【まとめ】値段は高いが写真や映像にこだわる人に最適

 ここ最近、ハイエンドスマートフォンはイメージセンサーの性能向上が著しい一方、本体サイズが大型化しており、それが主に厚みとなって本体のデザインに影響を及ぼすことが増えていた。それだけに、新しいイメージセンサーの搭載でスマートフォンに無理なく収まり、しかもフルサイズのセンサーに匹敵する性能を実現したXperia 1 Vのカメラには驚きがある。

 一方で値段は19万円程度と非常に高く、購入する人はやはりカメラの画質や使い勝手にこだわるプロ、セミプロやVLoggerなどに限られるだろうが、縦画面での撮影対応などにより使い勝手は向上しており、満足度は確実に高まっている。映像や写真にこだわる人なら購入を検討する価値はあるだろう。

  Xperia 1 Vの主なスペック
メーカー ソニー
ディスプレー 6.5型有機EL(21:9、120Hz)
画面解像度 1644×3840ドット
サイズ 約71×165×8.3mm
重量 187g
CPU Snapdragon 8 Gen 2
メモリー 12GB(SIMフリーは16GB)
ストレージ 256GB(外部最大1TB)
OS Android 13
カメラ アウト:48MP(24mm相当、標準)
+12MP(16mm相当、超広角)
+12MP(85-125mm相当、望遠)
/イン:12MP
バッテリー容量 5000mAh
防水/防塵 ○/○(IP65/68)
生体認証 ○(指紋)
USB端子 Type-C
カラバリ ブラック、プラチナシルバー、カーキグリーン(SIMフリーのみ)

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