COMPUTEXにはスマートフォンメーカーの出展はなかったものの、スマートフォン関連製品の展示もいくつか見られたので紹介しよう。
背面が開いて空気を取り込み空冷する
「ROG Phone 7 Ultimate」
ASUSのROGブースではまもなく発売になるゲーミングギア「ROG ALLY」の展示が大々的に行なわれていたが、ゲーミングスマートフォンであるROG Phoneシリーズも最新モデルが展示されていた。最上位モデルである「ROG Phone 7 Ultimate」は本体背面に開閉式の空気取り入れ口があり、背面に装着する冷却ファンか空気を送り込み内部を強制的に冷却する。
本体を横向きにして背面を見ると、上部中央に黒い長方形の部分が見える。ここが開口部で、背面に「AeroActive Cooler 7」を装着すると自動的に開き、クーラーからの冷風が内部を冷やす。内部には大きな面積の放熱板がチップセットであるSnapdaragon 8 Gen 2からの発熱を拡散し、その放熱板に空気を当てて通常の3倍もの冷却効果を実現する。
ブースの説明員によると、実際にハードなゲームをプレイするとその差はしっかり出てくるとのこと。なお、長期間使い続けていくうちに内部に埃などがたまらないよう、メンテナンスモードにより手動で背面を開き内部を掃除することもできる設計になっている。
ゲーミングスマホにリアルな体感を与えるピエゾ素子パッド
ゲーミングスマートフォンは本体の側面の両端にゲームプレイ用のソフトキーを備えている。ROG Phone 7なら超音波を使ってタッチ層を感知する「AirTrigger」が備わっているのだが、このソフトキーは押した感覚がないため、ゲームプレイに違和感を覚えるゲーマーもいるのが難点だ。
スタートアップのBoreas Technologiesはピエゾ素子を使った触感センサーを開発している。ピエゾ素子は電圧をかけると圧力を発生する素子で(その逆も可)、具体的には同素子をスマートフォンの側面に貼り付けておけば、ソフトキー部分をタッチした際にそのキーの部分に振動を与え、あたかも本当のキーを押しているような感覚が得られるのだ。
トリガーボタンの試作品には押しボタンのようなものが見えるが、これはあくまでも指先を正しい位置に置くための目印であり、ボタンとして押すことはできない。ゲームアプリを立ち上げこのボタンに人差し指をかけてタッチすると、ボタンを本当に押したように感じる。
同社はピエゾ素子を使った触感タッチパッドも開発中で、指先が触れるあらゆるものに触感を与えようとしている。将来的には、たとえばメタバース空間で何かに触れたとき、グローブ型のコントローラーの指先に触感を与えて本当に何かに触れたような感覚を与える、といった用途にも応用できるだろう。
スマホの写真撮影を簡単にできる
日本のスタートアップからもスマートフォン向けの新しい技術が展示された。pop incの「popCamera」は自撮りを簡単にできる技術だ。スマートフォンの背面を指先でタップすると、その振動を感知してカメラのシャッターを切ることができる。
スマートフォンのカメラアプリは基本的に本体を両手で構え、リアカメラを使って撮影するUI設計になっている。一方、フロントカメラを使って自撮りする際は、本体を保持しながらシャッターボタンをタップしなくてはならず、人によってはタップ時にブレてしまったり、また本体を落としてしまうこともある。
popCameraなら本体をしっかりと保持したうえで、人差し指などで背面をタップするだけで自撮りができるというのだ。スマートフォンメーカーへの採用に向け現在商談を進めているとのことで、いずれ「背面タップでシャッター」が当たり前の機能になるかもしれない。
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