デスクトップ機としても使いたいパフォーマンスと拡張性
今のところ、アップルの製品ラインナップの中で、M2 Pro、M2 Maxを搭載するモデルは今回登場したMacBook Proの14、16インチモデルと、M2 Proに限るもののMac miniのみとなっている。もちろん、M1 Ultraチップを搭載したMac Studioには劣るだろうが、それを除けば現行のMacの中でApple Siliconの最高のパフォーマンスを発揮できるのが、この新しいMacBook Proシリーズということになる。上で示したバッテリーテスト結果を見れば、モバイルマシンとして優れた特性を持っていることは明らかだし、デスクトップ環境で使っても十分に実力を発揮することが期待できる。
その場合に効力を発揮するのが、上で確認した外部ディスプレーのサポートの強化だ。内蔵ディスプレーと外付けの組み合わせでマルチディスプレーとして使うのが一般的だが、外付けだけでも最大3台まで接続できるので、内蔵ディスプレーを除いても容易にマルチディスプレー環境が構成できる。
もうしばらく待てば、おそらくM2 MaxやM2 Ultraを搭載したMac Studioが登場するだろうし、さらには新たな世代のApple Siliconチップを搭載したMac Proも製品化されるかもしれない。少なくともそれまでの間は、MacBook Proがパフォーマンス面でもMacシリーズを牽引する存在となる。もちろん、ノートブックとして最高レベルのディスプレーを内蔵し、外部ディスプレーも含めたフレキシブルな構成に対応可能な機動性については、MacBook Proだけの独壇場であることは間違いない。
MacBook Airや、13インチのMacBook Proなど、他のエントリーレベルのノートブックと比べると、かなり高い価格帯の製品であることは否めないが、内蔵ディスプレーの表示品質、本体のパフォーマンス、拡張性などを総合的に考えると、むしろプライスパフォーマンスに優れた製品だということが分かる。使用環境の室温にもよるが、高いCPU負荷で処理を続けても、空冷ファンの音が気になる段階まで回転数が上がることはめったにない。アプリケーションや周辺機器も含め、「プロ」領域でノートブックを使いたいMacユーザーなら、これしかないという製品だ。
悩むべきは、このM2 ProかM2 Maxかという選択だけだろう。M2 Max搭載モデルについては、また別記事でパフォーマンスを中心にレビューする。
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