前回のメジャーなアップデートから1年以上待たされたが、ようやくApple Siliconの2.5世代目と言うべきM2 Pro、M2 Maxチップを搭載したMacBook Proの14、16インチモデルが登場した。気になるのは、そのパフォーマンスがどれほど向上しているということだが、ベンチマークテストによる評価は別記事に譲り、ここではもっともオーソドックスなモデルと言えるM2 Proチップを搭載した14インチモデルの使い勝手を中心にレビューする。
ほとんど変わらない外観
MacBook ProにApple Siliconチップが最初に搭載されたのは、2020年の9月に登場した13インチモデルだった。それから約1年遅れて2021年10月に登場した上位モデルは、Apple Siliconとしては1.5世代に相当するM1 ProとM1 Maxチップを搭載した。それだけでなく、まったく新しい14インチと16インチのボディに収められた真にプロ向けと言えるものだった。
すでに何世代にも渡って観測されるように、アップルのMac製品のデザインの進化は、かなり保守的と言える。いったん採用された外観デザインは、少なくとも数年間は使用され続け、その間は中身だけが進化していく。したがって、M1 Pro、M1 Maxの搭載を期に、2021年10月にデザインが一新されたMacBook Proが、今回も、前回と同じボディデザインで登場することは容易に想像できた。MacBook Proにも、他のアップル製品と同様、型式を表すネームプレートのようなものはないから、デザインが同じだと外観から世代を判断するのは非常に難しい。
試しに同じ14インチの前世代モデルと今回のモデルを重ねて、前後左右の側面を比べてみよう。まったく同じと言ってもいいほどの変化のなさは、清々しいほどだ。
旧モデルは、実際に1年以上使用している個体なので、若干の汚れで判別可能だが、念のために明らかにすると、下のスペースグレーが2021年モデル、そして上のシルバーが今回のの2023年モデルだ。
もちろんポート類の構成も、少なくとも外観はまったく同じと言っていい。ただし、機能的に見ると、Apple Siliconチップの進化に合わせて、それ相応の進化を遂げている部分もある。それについては、少し後で見るとして、変わっていない外観から分かる範囲を確認しておこう。ノートブック型としての使い勝手に最も大きく影響するパーツは、なんと言ってもキーボードだ。
これも前世代と同じ、主要なキーのピッチが19mmのMagic Keyboardだ。各キーのストローク(押し込める深さ)も約1mmを確保していて、ソフトな感触で操作できる。指に余計な負荷がかからず、長時間タイプしていても快適だ。右上過度に配置されたTouch IDキーも含めて、少なくとも操作性では前モデルとの違いは認められない。
上辺中央にノッチの付いたディスプレーの表示品質は、スペックにも違いはなく、目視上も特に前モデルとの違いは感じられない。バックライトとして1万の領域に分割されたミニLEDを採用し、100万対1という驚異的なコントラスをを実現するLiquid Retina XDRディスプレーは、言うまでもなく現在のノートブック内蔵ディスプレーとして最高レベルのものだ。
ノッチ部分はメニューバーの一部となっているため、通常はノッチの存在が気になることはない。メニュー項目数が多いアプリでは、ノッチの左右にメニュー項目が分割して表示されることもあるが、そういったアプリは多くはない。仮にそうなったとしても慣れれば特に使いにくさは感じられない。
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