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インド発のバイク! ロイヤルエンフィールド注目の3兄弟車を乗り比べ

2023年06月04日 12時00分更新

インド発のバイクメーカー「ロイヤルエンフィールド」

今、バイク業界ではインドがアツい!?
ロイヤルエンフィールドのバイクがカッコイイ

 今のオートバイ界隈は、インドがホットスポットになっているようだ。日本メーカーもインド製のバイクが、多く作られ高評価を得ている。そんな中、イギリス発祥で現在インドのオートバイメーカーが大きく飛躍している。その歴史は古く、現存する世界最古クラスのオートバイメーカーなのだ。

 ロイヤルエンフィールド社は、その前身となるタウンゼント・サイクル・カンパニーを1880年にジョージ・タウンゼント氏がイギリスで設立したことに始まる。1989年にザ・エンフィールド・サイクル・カンパニー・リミテッドに変わり、1955年にはインドのマドラス・モータースと提携し「エンフィールド・インディア」を設立。1993年に同じくインドのアイッシャー・モータースに買われ、1994年にロイヤルエンフィールドに社名変更、現在に至っている。そんな歴史を持つロイヤルエンフィールドの社訓は「Made Like Gun」。つまり「銃のように精密な製品を」といった意味に捉えて良いだろう。

 会社の生い立ちはこの辺にして、肝心の製品の話入ろう。今回試乗したのはCLASSIC、HUNTER、METEORの3車種。3車種とは言え、ともに同一エンジン、同一フレームを持つ兄弟車だ。

OHC空冷単気筒エンジンは味のある乗り味が魅力だ

 エンジンはOHC空冷単気筒で20馬力ほど。とは言え、速く走らせる種類のバイクではないので、あまりスペックは気にならない。それより単気筒バイクの乗り味のほうが大切であるし、生命線といって良いだろう。その乗り味だが、トコトコと心地良く優しいフィーリング。かと言って物足りなさもなく、これぞ単気筒バイクと言える。走行安定性についても、思ったよりもシッカリしており接地感もある。見た目のクラシカルな印象とは裏腹に、現代のバイクの標準は軽く超えているように思えた。また、このバイクの最大の売りとも言えるスタイリングだが、とても上手に演出されている。

クラシカルなパーツを配し上手に演出しているCLASSIC

レトロなデザインが魅力
「CLASSIC 350」

 まずCLASSIC 350だが、そのレトロな風貌が最大の特徴だ。特にヘッドライトとメーター類を一体化させることで、運転していてもレトロ感を味わうことができる。そしてフロントフォークやマフラー形状、シート、フェンダー、タンクのペイントに至るまで心憎いほどクラシック感を演出している。価格は69万4100円~。

 その上で走行性能を軽視することなく、ブレーキはディスクブレーキを装着している。この辺りは雰囲気を楽しむだけではなく、走っても楽しいバイクとして成立させている。

スポーツモデルで運動性が高め
「HUNTER 350」

 HUNTER 350は最もスポーティーなモデルだ。このモデルの一番の特徴は、ほかの2車種のタイヤが19インチなのに対し、17インチであることだ。タイヤサイズを2インチ落とすことで、運動性能を確保している。ホイールに関してもアルミダイキャストホイールを採用し、特にコーナー間の切り返しなどでは、その運動性能の高さが顕著に現れる。価格は65万7800円~。

スポーツモデルのHUNTER

 スタイリングもシートをフラットにしたり、マフラーを短くし跳ね上げる事でスポーティーさを演出している。それに伴いステアリンング位置も低く設定され、ライディングポジションも前傾姿勢が強められている。

長距離移動がしやすいアメリカンタイプ
「METEOR 350」

 最後にMETEOR 350だが、これはクルーザーを意識したアメリカンタイプ。個人的には、このエンジンにはベストマッチングのスタイルだと感じる。タイヤサイズは19インチに設定され、運動性能より直進安定性を重視している。アップハンドルが装着され、ライディングポジションもラクに長距離を走れるスタイルだ。価格は71万600円~。

クルーザーモデルのMETEOR

 全体の印象もバイク然とした佇まいで、スタンダードなスタイルに好感が持てる。デザインが突出していない分、どんなシチュエーションにもマッチする。それでいて走りは、満足のいくネオスタンダードモデルといった感じだ。

 以上のように、ロイヤルエンフィールドは同じエンジンと同じフレームを使って、まったくイメージの違う3モデルを送り出してきた。同じプラットフォームで作り、共用部品も多い。そのため価格もグッと抑えられ、3車種すべて70万円ちょっとなのも魅力だ。正直、乗り味についてはどれも大きくは変わらないので好みで選ぶといいだろう。

 ロイヤルエンフィールドは、見た目やバイクライフに合わせてモデルを選ぶと言う、うれしい提案をしてくれた。

■筆者紹介───折原弘之

 1963年1月1日生まれ。埼玉県出身。東京写真学校入学後、オートバイ雑誌「プレイライダー」にアルバイトとして勤務。全日本モトクロス、ロードレースを中心に活動。1983年に「グランプリイラストレイテッド」誌にスタッフフォトグラファーとして参加。同誌の創設者である坪内氏に師事。89年に独立。フリーランスとして、MotoGP、F1GPを撮影。2012年より日本でレース撮影を開始する。

■写真集
3444 片山右京写真集
快速のクロニクル
7人のF1フォトグラファー

■写真展
The Eddge (F1、MotoGP写真展)Canonサロン
Winter Heat (W杯スキー写真展)エスパスタグホイヤー
Emotions(F1写真展)Canonサロン

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