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Google Play Games(ベータ)とDMM GAME PLAYERで『ウマ娘』の動作がどれだけ変わるか検証してみた

2023年06月03日 11時30分更新

文● ジサトラハッチ 編集●ASCII

ベータ版ということもあり動作はやや重め

 Google Play Games(ベータ)は、まだ正式版ではないので、動作不十分のところもあるが、実際にどれぐらいの重さで動作し、実用的なのかCPUやGPU使用率、フレームレートの安定度を確認してみた。ゲームはDMM GAME PLAYERでもPC版が配信されている『ウマ娘』を採用。

 Google Play Games(ベータ)とDMM GAME PLAYERでゲームを起動し、エキシビジョンの練習で、「大阪杯」16頭立てでレースし、その際の動作をWindows標準機能のゲームモードの「パフォーマンス」で調べ、フレームレートをCapFrameXで計測した。検証は以下2つの環境で実施した。

 1つ目の検証環境は、筆者が普段仕事の執筆に使っているCPUにAMD「Ryzen 7 PRO 4750G」(8コア/16スレッド、3.6~4.4GHz)を搭載したASRock「DeskMini X300」ベースの小型PC。GPUはCPU内蔵のRadeon Graphics 8で、メモリーはCrucial「CT8G4SFS832A」(8GB×2、DDR4-3200)を採用している。

DeskMini X300は、CPUとメモリー、ストレージを追加するだけで利用できる小型のベアボーン。内蔵GPUが優秀なRyzen Gシリーズを搭載することで、ちょっとした動画編集や軽いゲームなどが遊べるとして人気を博している

 さらに、CPUにAMD「Ryzen 5 7600」(6コア/12スレッド、最大5.1GHz)、ビデオカードにASRock「Radeon RX 6750 XT Phantom Gaming D 12GB OC」。メモリーにCORSAIRのVENGEANCE RGB「CMH32GX5M2B5200Z40K」(16GB×2、DDR5-5200)を採用したバラック組の自作PC環境を用意した。

検証用に用意した自作PC環境

 さて、では実際にGoogle Play Games(ベータ)で『ウマ娘』を動作させた場合と、DMM GAME PLAYERで『ウマ娘』を動作した場合での違いを見ていきたい。まずはDesk Miniと自作PC環境で動作させた際のCPUとGPUの使用率を、Windows 11の標準機能ゲームモードのパフォーマンスでチェックしたい。数値は変動しているので、あくまで参考値として欲しい。

Desk MiniにてGoogle Play Games(ベータ)で『ウマ娘』を動作させた時のパフォーマンス

Desk MiniにてDMM GAME PLAYERで『ウマ娘』を動作させた時のパフォーマンス

自作PCにてGoogle Play Games(ベータ)で『ウマ娘』を動作させた時のパフォーマンス

自作PCにてDMM GAME PLAYERで『ウマ娘』を動作させた時のパフォーマンス

 ビデオカードを搭載していないDesk Miniでは、Google Play Games(ベータ)ではGPUの使用率がかなり高い。数値は上下に割と変動するが、総じてCPUもDMM GAME PLAYERよりは高い傾向にあり、メモリーも16GBと近年では一般的だが、割と高めになっている。

 一方で、自作PC環境ではCPU使用率こそ、少し差があるものの、ミドルハイクラスのRadeon RX 6760 XTの高い性能からか、GPU使用率はそれほど大きな差はない。メモリー使用率も32GBにもなれば、大きな差は生まれていなかった。Google Play Gamesは開発途中のベータ版なので、現状は動作という面ではDMM GAME PLAYERよりも重い傾向にあるようだ。

 最後にフレームレートの比較もしてみたい。フレームレートは、『ウマ娘』をCapframeXにて計測した。画質設定は標準版で、3Dレース表現は高品質化を有効にしている。

『ウマ娘』のフレームレート計測結果

 『ウマ娘』のフレームレート上限は30fps、AAAタイトルでもWQHDでなら快適に動作する自作PC環境では、平均はほぼ30fps。99パーセンタイル値だと数フレーム下がるが、カク付きが気になるようなことはない。若干Google Play Games(ベータ)の方が数値で下回るが、誤差程度。フルスクリーンで『ウマ娘』を遊びたいなら、Google Play Games(ベータ)を使うのも良さそうだ。

 一方で、Desk Miniの環境では、DMM GAME PLAYER版でも平均フレームレートが20fps前後と低めで、たまに動作が重くなるシーンがある。2DゲームなどライトなゲームがフルHDで快適に動くくらいの性能では、やはり設定は低めにしておく方が良いだろう。Google Play Games(ベータ)では、平均がさらに10fpsは下まわるので、さらに動作が重く感じる。非力なPCで遊ぶなら、ちょっと厳しいようだ。

 余談だが、Google Play Games(ベータ)はマイクロソフトの仮想化ソフトで、1台のパソコン上で複数の仮想PCを稼働して、それぞれ独立したOSを起動できる「Hyper-V」を利用している。そのため、「Bluestacks」や「Nox Player」などHyper-Vと共存できない古いVirtualBoxベースのAndroidエミュレーターが動作しなくなる。

 いくつか回避方法もあり、「Bluestacks 5」の場合は、公式HPにてその方法を公開している。

BlueStacks 5は公式HPのトラブルシューティングにて、Hyper-Vを有効にする方法を解説している

 BlueStacks 5はカスタムツールをインストールすると、自動的に再起動が実行されてHyper-Vが有効になる。それでも、起動時にエラーメッセージが表示される場合は、BlueStacks 5のアイコンを右クリックし、「管理者として実行」をクリックすれば動作する。

グーグル純正のアプリとして期待大
フルスクリーン化に対応している点は◎

 以上で簡単だが、Google Play Games(ベータ)の検証を終えたい。Google Play Gamesはグーグルが審査したゲームのみが配信されているということで、安心して利用できる。現状はベータ版のため動作が重め、メール質問の返答にあったように、機能についてもこれから検討するといった感じなので、今後に期待といったところ。

 ただ、DMM GAME PLAYER版ではフルスクリーンに対応していない『ウマ娘』がフルスクリーンで遊べたり、グーグル純正のため当たり前だがAndroidスマホと同じクレジット情報を保持しているので、スマホと同じ方法で課金できたりするメリットもある。

 正式版配信時期は未定だが、今後もゲームも追加されるとのことだし、現状でもメリットを感じたなら使ってみるのもアリだ。CPU内蔵GPUのみで動作するPCでは、ゲームによってはやや動作が重いが、ビデオカードを搭載したゲーミングPCを使っている人なら、一度試してみてはどうだろうか。

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