社内の情シスに聞いた悩みランキング
第3位:会社ではなく自宅の環境に起因するトラブル
続いて第3位もテレワークに関連する内容。テレワークによって社員がそれぞれの自宅で仕事をするようになったことで、個々の環境に違いが出てきたことによる悩みだ。
例えば、テレワーク環境ではVPNなどを使う機会が増え、ネットワーク関連のトラブルが増加。個人の環境次第でVPNが使えない場面も出てきた。
社員宅のネットワーク設定によってVPNが通らないケースでは、家庭内で構築している環境に手を加え、問題が発生したとしても会社が責任を取れないのである。適切な対応が取りにくいし、そもそも状況を把握するのも難しい。
結果的には会社にPCを持参してもらい、情シスの人がVPNなどの設定を直接行わなければならないこともあるという。テレワークの普及によって、こうした問題に直面している会社も少なくないだろう。
社内の情シスに聞いた悩みランキング
第2位:社員の言っていることがわからない
第2位に挙げられたのは、ヒアリングの難しさ。機材のトラブルなどで情シスに相談が寄せられた際、相談者側が自分の状況を細かく説明できない、というものだ。
会社支給のPCに不具合が発生した時にありがちな「何もしていないのに壊れた」という言葉に、頭を抱える情シスの人間は少なくないようだ。これでは原因の特定が難しい。
不具合の内容によっては、PCの再起動をすれば解決するような単純なものもあるのだが、リテラシーが高くない人ほどそうした解決策を試さずに相談しがち。情シスでなければ対応できないような専門的な不具合というのはそう多くはなく、多くの場合は誰でも対応できる内容を“代わりに調べてあげている”わけだが、その確認作業で相談者側も情シス側も時間を取られてしまうことになるのが悩ましい。
社内の情シスに聞いた悩みランキング
第1位:常に相手の都合に合わせられるわけではない
情シスの担当する業務は会社によって多岐にわたるが、会社の規模によってはエンジニアを兼任している場合もある。トラブル対応などは基本的に“発生してから対応する”という業務になるため、特にトラブルなどが起きていない時は、そうした業務に携わっているわけだ。
当然、エンジニア業務でもプロジェクトの状況によって忙しい時期があり、そちらに注力しなければならない場面も出てくる。しかし、そうした時に対応に時間がかかるトラブルの相談が舞い込んできた場合は、エンジニア業務とサポート業務の板挟みになってしまうことがある。
「PCが使えなくなった」というような個人のトラブルは、当然その人にとっては緊急事態であり、迅速に対応してほしいもの。しかし、例えば情シスが会社のウェブサイトの大規模なメンテナンスなどを行なっていて手が空いていない場合、情シス側は会社として優先度の高い業務を先に進めなければならない。そうなると個人のトラブルは一度横に置いておくことになる。
もちろんそうした状況が起きないように、誰かしらトラブルに対応できるようチームのスケジュールを調整して動ければ理想的だが、会社によっては“ひとり情シス”というように少人数で情シス業務を担当していることもある。必ずしも他人の都合に合わせて動けるわけではないのだが、トラブルを抱えて焦っている他部署の社員に急かされることも。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう