Bluetooth対応USB DAC内蔵ヘッドホンアンプFiiO「K7BT」
FiiO「K7BT」はAKM4499SEQをデュアルで搭載したバランス設計で、4.4mmバランス接続に対応。今回はLDACとaptX Adaptiveに対応したBluetoothレシーバー機能を追加したモデルになる。2段階のゲイン切り替え、同軸、光、USBのデジタル入力、RCAのアナログ入出力を搭載してデスクトップのコアシステムとしての役割を果たす。ヘッドホンアンプはFiiOとTHXが共同開発した「THX-AAA 788+」を2基搭載。その音はFiiOらしく硬質で辛口、エッジが立ったもので音像定位にも優れていた。
ドイツのプロ機器メーカー、Violectricのヘッドホンアンプが心地好い
最近は純粋なヘッドホンアンプが少なくなったとお嘆きの貴兄にお勧めしたいのが、Violectricである。作っているのはドイツのレコーディングスタジオ向けのプロ機器メーカーで、ちょっとややこしいのだが、プロ機器のブランドは「Lake People」、コンシューマー向けが「Violectric」で、ハイエンドが「niimbus」と3つに分かれている。初めて聴いたブランドと思い込んでいたが、よく考えてみるとViolectric「V821」を聴いたことがあった。試聴したのは新しいシリーズで、ルーツは「V200」という同社の定番モデルである。
「HPA V202」(19万8000円)は、バランス入力に対応、出力はアンバランスだが、ヘッドホン端子は4.4mmと6.3mmを装備している。アナログ入力専用アンプで、全体に厚みのある心地好い音なのだが、高域は粒立ちがよく、やや尖った感じを受ける。バランス出力に対応したのが「HPA V222」(27万5000円)で入力はXLRとRCA、ヘッドホン出力はXLR 4pinが加わる。輪郭のハッキリした音で、メリハリ感がある。ここにDACを内蔵したのが「DHA V226」(30万8000円)でシーラスロジックCS43131を搭載、PCM32bit384kHz/DSD 256に対応する。またプリアンプとしても使える。ヘッドホン出力はバランス対応だ。音は最も鮮明でクリアー、ハイレゾ音源向きに仕上がっている。
3モデルに共通する項目は、同じサイズのケースを使い、φ38mmのアルミ合金製ボリュームノブを採用。アッテネーターは日本メーカーのアルプスRK27。トロイダルトランスを使った電源回路を内蔵。高出力電圧と高出力電力でどんなに鳴らしにくいヘッドホンも力強くドライブする。ノイズは可試聴範囲以下に抑えられている。さらなる上位モデルもあるのだが、この3モデルが分かりやすくViolectricの音を伝えてくれると思った。デスクトップで使える本格的なヘッドホンアンプを探している方はぜひ聴いてみていただきたい。
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