HyperX「Cloud III Gaming Headset」を試す! 唯一の弱点だったマイク性能もグッと向上
抜群の装着感に驚き! 8年ぶりの刷新とげたレジェンド級ゲーミングヘッドセット
2023年5月、ゲーミングギアブランド「HyperX」に新たな有線ゲーミングヘッドセット「Cloud III Gaming Headset」(Cloud III BK 727A8AA、Cloud III BK/RD 727A9AAが加わった。現在でも高い支持を得ている「Cloud II」から、装着感や耐久性をグレードアップし、スタンダードな要素を一層進化させた後継機だ。汎用性の高さやマイクの音質の向上、わかりやすい制御ソフトなども特徴的であり、ヘッドセットの決定版ともいえる仕上がりになっている。
本稿では、Cloud III Gaming Headsetの進化したポイントに触れつつ、実際に筆者が2週間ほど使用したインプレッションをお届けする。
まず、HyperXとは
「We Are All Gamers(私たちはみなゲーマーである)」をコンセプトに掲げるHyperXは、2022年で20周年を迎えたゲーミングブランドだ。マウスやキーボード、マイクといったさまざまな製品を展開しており、本稿でも扱うヘッドセット分野においては、世界No.1シェアを誇っているとのことだ。前述の名機「Cloud II」の功績も大きいだろう。
なお、当初HyperXはKingston Technologyのゲーミング部門という位置づけであったが、2021年2月にOMENシリーズなどで有名なHPに買収された。これにより、HPが展開するパソコンの一部モデルには、最初からHyperXのヘッドセットを同梱するなどの施策も実施されている。パソコン本体に強いHPと、その周辺機器に強いHyperXがタッグを組んだ形だ。
さまざなポップカルチャーのインフルエンサーと提携も1つの強みであり、格闘ゲームのレジェンド、ウメハラ選手だけでなくNBAのプレイヤーなどと幅広く展開しているのが特徴的だ。日本では今年4月、プロゲーミングチームSCARZともスポンサー契約を結んでおり、その存在感を増しているようだ。
まさに“正統進化”
雲のようにやわらかな付け心地
「Cloud III Gaming Headset」は、2015年に発売された「Cloud II Gaming Headset」の後継機だ。8年前のモデルながら快適性、耐久性、良い音質の3拍子が評価され、未だに根強い人気を持っている点が特徴となる。担当者曰く「8年の歳月をかけて自信をもって後継機種と言えるモデルが完成した」とのことだ。
具体的には、プレイヤーに触れる耳とバンドのパッド部分、ヘッドバンドのスチール部分、耐久性の向上、再設計されたドライバー、空間オーディオへの対応、マイクの音質向上、そして幅広いデバイスへの対応といった、さまざまな点で進化している。
付け心地の面で最も重要なイヤーパッドの厚みは増している。Cloud IIよりさらに柔らかくなり、形状が変化するメモリーフォームによって快適性がグッと上がっている。
装着すると、その柔らかさと違和感のなさがわかる。筆者の耳はやや平均よりも大きく立ち耳気味(いわゆる猿耳というやつだ)だが、そんな筆者の大きな耳でもすっぽりと包み込んでくれた。その名のとおり雲のような付け心地だ。
ヘッドバンド部分も同様で、頭にかかる負担は限りなく低い。これは長時間遊び続けるゲーマーにとって非常にありがたく、例えば競技性の高いゲームをプレイしている最中に、耳が痛くていったんヘッドセットを外すなんてことをしなくてすむ。ゲームへの没入感を損なわない効果があるといえるだろう。
また、フレーム部分はスチール製のスライダーを使っていて曲がっても大丈夫な素材となっているそうだ。発表会ではこんな曲げ方を実演するほどだ。それ故に、頭全体への締め付けが少ない。前述のふかふかなイヤーパッドも相まって、付け心地は非常に良好だ。
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