グーグル、マイクロソフト猛追 ChatGPT対抗の鍵は「マルチモーダル」「全方位」
AIとワークスペースの統合
マイクロソフトはMicrosoft365にCo-Pilotとして、AIして、仕事のサポートをしてくれるようにするが、グーグルも負けてはいない。
Google Workspaceにおいて、GoogleドキュメントやGmailで文書を作成する際、Bardで文書をつくる支援や要約をしてくれるようになる。また、Google Slideでは文書からのプレゼン資料作成、スライドで話す内容の原稿作成、さらにはスライドに挿入するイラストの作成まで手伝ってくれる。
基調講演では動画の説明だけであり、リアルに動かしたデモではなかったため、絶賛開発中だと思われる。マイクロソフトの発表に追いつくために慌てて作った可能性も考えられるが、いずれにしても、仕事を支援してくれるBardの登場が待ち遠しい限りだ。
AIと検索の新たな試み - GSE
当然のことながら、グーグルの本業である「検索」にもAIが強化されていく。いまのところ、「Search Labs」というベータ版的な位置づけで「GSE(Generative Search Experience)」が提供される。
こちらはデモとしてネットショッピングでの検索が紹介され、性能のいい自転車の説明を簡潔にまとめて表示させつつ、欲しい色だけの自転車をすぐに買えるようにもしてくれた。
個人的に検索で気になっていたのが広告の扱いだ。Bing AI Chatの画面では検索しても広告は一切表示されず、スッキリとした画面で結果が簡潔にわかってとても便利であった。
今回、発表されたGSEでは、従来のGoogle検索同様にスポンサーによる広告がしっりと表示されていた。グーグルにとって広告収入が売上げの本丸であるだけに、AIが載り、見せ方が変わったとしても広告表示は継続していくようだ(もちろん開発中のため、今後、変更されることはあるだろう)。
今年のGoogle I/Oでは、Googleクラウドの担当者も登壇するなど、クラウド事業もAIに本気で取り組んでいる点がアピールされた。ライバルであるマイクロソフトは、同社のクラウド事業であるAzureでChatGPTを使えるようにして、企業に「プライベートで安全に使えるChatGPT」を積極的に売り込んでいる。
グーグルとしても、検索やWorkspace、クラウド、さらにはPixelなどあらゆるところでAIを強化し、全方位でマイクロソフトと戦っていくつもりのようだ。
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