東京都葛飾区の学校法人共栄学園とThermaltakeの共同開催で「自作PC教室」が共栄学園中学高等学校で5月13日に開催された。若年層のユーザーにゲーミング自作PCの魅力を伝えるのが目的で、教室には共栄学園のeスポーツ部をはじめPCに興味がある生徒20人が集まった。
PCを自作するのは初めてという参加者が約9割。そこで、まず自作PC・タブレット・ノートPCのそれぞれのメリット・デメリットを説明した。自作は好きなパーツを選べて好みの色や性能に仕上げられるのが醍醐味だと教える。
自作を始める前に、プロゲーミングチームCREATIVES所属のストリーマーつつまるさんが、完成したPCパーツをバラしながらパーツごとの役割や意味を説明。つつまるさんが「メモリーを増設するとどうなるか?」と参加者に質問すると「(重量が)重くなる」といった回答があり、場を和ませた。ちなみに正解は「処理速度が早くなる」(正確には、処理速度が遅くなる頻度が減る)だ。
PCパーツをバラバラにしたあとは、参加者による組み込み実習を開始。組み立てる自信がある人や最新パーツに興味がある人は最新PCの組み立てを行ない、最新パーツを触るのが怖い人や分解をしてみたい人は動かなくなった古いPCを使って分解作業を体験した。
組み立て作業を見ていて印象に残ったのが、メモリーとビデオカードをスロットに挿すことに手間取っていたことだ。彼らはファミコン世代ではないのでゲームカセットを本体に挿したことがない(1人だけNINTENDO64ユーザーがいたが)。したがって基板にパーツを押し込む力加減がわからないのだ。恐る恐る力を加えては「折れそうで怖い」「固くて入らない」と尻込みして、なかなかパーツが奥まで挿さらなかった。
最終的にはしっかり装着できたが、体験した人はみな緊張していた。指先で押すのではなく腕全体に体重をかける意識で押し込めばいいのだが、ビデオカードの価格が10万円ということもあり、恐怖心のほうが勝ってしまったようだ。
逆にケーブル配線は非常に早かった。若さゆえか視力が良く手先が器用ということもあり、コネクターの位置を探し当てたらすんなりと結線できていた。見事な手さばきで正直うらやましかった。筆者があの速度でケーブルマネジメントをしていたら、手が血だらけになっていたに違いない。
参加者は、実際にPCに触れてその構造を知ると、全員が時間を忘れて分解や組み立てに取り組んでいた。途中で何度かつまづきながらも約2時間でPCが完成し、Windowsが立ち上がったときは、拍手喝采となった。
自作PC教室に参加した生徒からは「PCがこんなにたくさんのパーツでできているなんて知らなかった」「最新のPCでゲームの画質をチェックしたい」「自作するのを理由にして(同じ構成のパーツを)親に買ってもらう」といった感想を聞けた。
最初は、怖い、難しそうと緊張していた参加者だったが、最後は皆笑顔で教室を後にしたのが印象的だった。自作PCに対する敷居が下がったことを強く感じ取れた。今回の参加者の中からPCパーツ業界を目指す人とプロゲーマーが誕生することを願ってやまない。そのときはThermaltakeがスポンサーになってくれるだろう、きっと。
構成パーツ | |
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CPU | Intel「Corei5-13400F」 |
CPUクーラー | Thermaltake「TOUGHLIQUID Ultra 420 RGB」 |
マザーボード | MSI「MAG B760 TOMAHAWK WIFI DDR4」 |
メモリー | CORSAIR「Vengeance RGB PRO White」8GB×2 |
ビデオカード | MSI「GeForce RTX 3060 AERO ITX 12G OC」 |
SSD | Crucial「P3 Plus 1TB」 |
電源ユニット | Thermaltake「TOUGHPOWER GF PLUS 850W -GOLD」 |
PCケース | Thermaltake「Ceres 500 TG ARGB Snow Edition」 |
ドレスアップパーツ | Thermaltake「LCD Panel Kit -White- for Ceres 500」 |
変換ケーブル | Thermaltake「Sleeved PCIe Gen 5 Splitter Cables」 |
OS | Microsoft「Windows 11 Home」 |
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