NTTドコモは12日、2022年度決算会見を開催。その質疑応答で、最近ネットを中心に不満の声も見られる通信品質について、同社代表取締役社長の井伊基之氏が言及した。
まずネットワークの現状の背景として、やはりユーザーの使い方の変化を挙げた。10代20代のユーザーが映像コンテンツやニュースを街の中で視聴することが多く、都市の中心部で集中的にトラフィック量が増加するような現象が発生している。しかし、「ネットワーク全体を増量すると無駄もあるので、マイクロマネージメントでどこに容量が不足しているかをキャッチをする必要がある」とする。
同社は4月26日に「5Gネットワーク戦略説明会」と題する記者説明会を開催(「ドコモ、最近のネットワーク逼迫を「認識している」 5G拡大とエリアチューニングで対策」)。ネットワークへの取り組みを説明したが、ここに至る過程では「SNSやウェブ上でのお客様の声をキャッチして、パケ詰まり、速度が出ないと言った声が聞こえてきた。裏で直すのではなく、声が出ていることを受け止めて、対策していることを公表した」とのことで、究極的には5Gエリアを構築するのが解決策となるが、設備投資の観点からもバランスを取りつつ、エリアチューニングなどさまざまな手法で対応していくのが重要とした。
また、こうした問題は程度の差こそあれ、各社が対応していることではないかと語り、「若い世代が集中する場所がいくつかあって、そういった場所でネットワーク増量などで対応できなかった」と反省の弁も語っている。
なお、第三者機関による調査結果において、ソフトバンクに抜かれた点について問われると、「(主要3社とも80~90点台と高い点数を出した上で)数値を見ると数点の差。この数点の差で勝った負けたと言うのがいいのか。日本のキャリアは高い水準にあるのではないかと理解している」と感想を語った。
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