ソフトバンクは、2023年3月期決算説明会を開催。その中の質疑応答において、第三者機関によるレポートなどで、国内MNO4社の中でも相対的に高い回線品質と評価されている点について問われ、同社代表取締役社長執行役員兼CEOの宮川潤一氏が回答した。
「4Gから5Gへのマイグレーションは想像以上に難しい」
日々、通信品質やユーザーの評価をチェック
宮川氏は「(ソフトバンクが)褒められることはあまりないのでうれしい」と率直な感想を語った後、その要因として5Gの展開を挙げる。
ソフトバンクの5Gエリアは700MHz帯/1.7GHz帯といった比較的電波が飛びやすい4Gから転換した周波数をメインに、サブ6を組み合わせて面展開している。しかし、「4Gから5Gのマイグレーション(移行)が想像以上に難しい」とのことで、全国のエリアを660メッシュに区切って、その通信品質やユーザーの評価が上がっているか下がっているかを日々チェック。特別なことをするのではなく、地道に改善を進めてきたとした。
なお、5Gの面展開がおおむね完了したことから、今後3年間の設備投資は2022年度から775億円を削減した3300億円程度でコントロールし、トラフィックが増大したエリアでのスポット的な強化や5G SAの導入などの機能高度化を中心とする考えだ。
なお、4月に開始した「副回線サービス」の状況については、「過度な期待はしていなかった。必要な方に必要なサービスを提供するという意味では順調な滑り出しではないか」と回答した。また、以前の会見で1つの可能性として語られていた、主回線と副回線とを1つの電話番号で扱うアイデアについては、KDDIとの議論の中で、技術的には可能だが、障害の状況によっては着信がうまくできないケースがあるのがわかったとのことで、「当面は今の形で行こうという判断になった」とした。
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