半導体からデバイスまで手がけるSamsung(サムスン)が、4月末に発表する第1四半期決算のガイダンスを発表した。営業利益は前年同期比95%減少、2009年以来の低水準となる模様だ。
2022年通年の売上高は過去最高
だがQ4の営業利益は8年ぶりの低水準
経済環境の変化のスピードが加速する中、Samsungもローラーコースターのような状況にある。
Samsungが今年1月に発表した2022年通年および2022年第4四半期の決算によると、通年の売上高は過去最高の302兆2300億ウォン(約30兆2000億円)となった。2021年の279兆6000億ウォン(約27億9600万円)から8%のプラス。スマートフォンや家電を含むDX(Device eXperience)、半導体やディスプレーを含むDS(Device Solution)なども、通年ではプラス成長となっている。
一方で、2022年の営業利益は43兆3800億ウォン(約4兆3400億円)、こちらは前年比8.26%のマイナスとなった。四半期別で見ると、2022年第1四半期を頂点に、第2、第3、第4と売り上げは減少傾向。
第4四半期は、営業利益が前年同期比69%減少の4兆3100億ウォン(約4300億円)。これは、スマートフォンの不振などで営業利益が大きく減少した2014年第3四半期以来のレベルとなった。同期にDX、DSは前年比マイナス成長となった。なかでも価格が下落傾向にあるメモリ、そしてモバイルが足を引っ張った。
好調な出足が予想されているGalaxy S23だが、
メモリ需要が厳しい状況か 生産量も調整に入る模様
第4四半期の決算を発表した1月の時点でも簡単に業績が上向くという予想は出ていなかったが、4月に入って発表した第1四半期のガイダンスはやはり苦しい内容となった(https://news.samsung.com/global/samsung-electronics-announces-earnings-guidance-for-first-quarter-2023)。
Samsungは売上高を約63兆ウォン(約6兆3000億円)、営業利益を約6000億ウォン(約600億円)と発表した。売上高は前年同期比19%マイナス、営業利益は95%マイナスとなる。
Samsungは2022年10月に、翌年の投資に変化はないという見通しを示していたようだが、1月はメモリの製造ライン最適化を進めていると発表していた。そして今回のガイダンス発表と同日、生産量を削減することも明らかにしたとReutersが報じている(https://jp.reuters.com/article/samsung-elec-results-idJPKBN2W4001)。
一方で、2月に世界で発表、国内でも発売されたばかりの最新フラッグシップ「Galaxy S23」は好調な様子。事前予約の段階で、韓国では100万台(+とUltraを含むシリーズ全体)を突破したことが発表されていた。グローバルでも事前予約の段階で同時期のGalaxy S22と比較して良好。高価な最上位モデルであるUltraが60%を占めているという。
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