ASCII媒体を運営している角川アスキー総合研究所。コロナ禍を機に社員個別の席はなくなり、フリーアドレス化と完全リモートワーク化に踏み切っています。
平行して動画配信の機会が増えたため、本社の入っているビルのフロアを改装し、収録や打ち合わせなどに使える共有スペース「asciiLab_Studio;」にリニューアルしました。リビングに近い雰囲気のスペースで、ハウススタジオのようにソファーに座りながらリラックスしながら配信したり、柱に設置したディスプレーを囲んでPC画面をキャストしながら軽くブレストしたりといったことが可能になっています。
この場所はすでに自社の動画配信などでも活用しているので、ASCIIのYouTube配信などで目にしたことがある人もいるかもしれません。すでにそれなりに活躍している場所ではありますが、コロナ禍がだいぶ落ち着いてきたこともあり、さらなる活用を進めていこうと考えています。そのひとつが、リアルイベントです。
イベントスペースにAVアンプがマッチすると感じた
ただ、イベントでの活用を考えた場合、いくつかの課題もありました。一番のポイントは、さまざまな機器で再生した映像や音響を来場者に効果的に見せられるかです。リニューアル時には、壁面のひとつにスクリーンと同じ素材の壁紙を貼り、プロジェクターでの投影ができるようにしたほか、離れた場所からも観られるよう5台のテレビを柱に設置しています。
PC画面をミラーリングして、プレゼンテーションをするという意味ではこれでも問題はありませんが、社内会議とは違って、イベントではPowerPointなどの資料だけでなく、映像や音楽を流し、かつ状況に応じて切り替えることが必要になります。つまり、“映像/音声の入力や出力をコントロールする機器”が必要となるわけです。実際、イベントでは用意した動画の音声以外にも、入退場の際に流すBGM、登壇者の声を拡声するPAなどさまざまな「音」が必要です。これを映像と連携してスムーズに切り替えられる仕組みが欲しいと思っていました。
さて、こういった場合、スイッチャーやミキサーなどを導入するのが一般的ですが、これらの機材は初めて触れる人には少しとっつきにくい面もあります。そこで考えたのが、個人向けに販売されているAVアンプの導入です。AVアンプであれば、パソコンはもちろん、動画や音楽などさまざまなソースを活用できますし、リモコンなども用意されているため、音量やソースの切り替え操作なども簡単です。パソコンだけでなくBDレコーダーやゲーム機など外部機器も接続できますし、BGM的に音楽を少し流したいと考えた場合でも、ネットワーク経由、あるいはUSBメモリー経由で気軽に再生できます。
手軽さと機能性を両立した素晴らしい選択肢ではないかと考えたわけです。
以上のような要求を踏まえ、導入が手軽で機能やデザインの面でも優れている製品はないか。そう考えていくつか検討した結果、行きついたのがマランツのAVアンプ「CINEMA 70s」です。CINEMA 70sの「s」はSlimの「s」。高さ109mmと薄型でコンパクトな製品ですが、これから説明するように非常に充実した機能をもっていますし、何より外から来場者を招くスペースにおいても恥ずかしくない優れたデザインが特徴です。
この記事では、CINEMA 70sの特徴に触れながら、この機種をASCII編集部が選択時に重視したポイントについて整理していこうと思います。
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