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VRでマッチングアプリはどう変わる?恋愛メタバース「Memoria」を体験してきた

2023年04月19日 10時00分更新

 Flamersは4月19日、バーチャル空間上でアバターの姿で恋人を探せる恋愛メタバースアプリ「Memoria(メモリア)」をリリースした。

 本アプリは、インターネット上の仮想空間を活用したマッチングアプリ。アバターの姿で恋人を探したり、デートをしたりといったことが可能なサービスとなっている。VRヘッドマウントディスプレーと通常のディスプレーどちらでも利用が可能で、対応しているプラットフォームは以下の通り。

 今回、リリースに先駆けてMemoriaの体験会が開催されたため、本アプリの内容を体験してきた。

 大まかな流れは、まず専用フォームに自身のプロフィールや相手の条件などを入力して登録。その後、AIによって相手がマッチングされ、本サービス上で日程を調整する。その後、アプリを用いて相手とバーチャル空間で待ち合わせ、30分間の初回デートを行う。

 初回デートの後、お互いにもう一度会いたいとなれば、運営側から双方に連絡が行く。2回目以降もメタバース上でデートが可能だ。料金は、マッチング相手の紹介料が男性は3900円/月、女性は無料となる。なお、マッチした相手との2回目以降のメタバースデートはどちらも無料になる。

デート中のイメージ

アバターは数種類から選択できるが、細かくカスタマイズまでは現状できなかった

 初対面の相手とバーチャルの世界で会ったとしても、なかなか会話が弾まないというのも想像できるが、そういった時のためにバーチャル空間内には話題ボードが置かれている。「今日はどんな1日だった?」「子供の頃の夢はなんだった?」という具合に、ここに書かれた質問で話題ができるというわけだ。

 その他にも、バーチャル空間上にプロフィール帳が置かれていたり、お昼の某番組のような「話題サイコロ」も置かれている。プロフィール帳に書かれた職業や趣味の話題をしてもよし、会話に詰まったら話題サイコロで話題を探すもよし。あまり会話が得意でなくても、30分話すくらいは十分な用意があると思えた。

プロフィール帳の記入例

VR空間内には、どこかで見たことのある話題サイコロが

 また、初回デートのワールドはカフェのようなエリアで統一されているが、2回目以降のデートでは異なるワールドも選択できる。

 サービス開始時点では、洋風な豪邸の前庭らしいワールドと、列車の中のワールドという2つが実装されているとのこと。これらのワールドにも、ミニゲームらしい要素や心理テストなど会話のきっかけになる要素が配置されている。

 なお、デートが可能なワールドは、リリース後にも順次追加される予定だという。

庭のワールドの様子

列車内のワールドの様子

 体験会では、Flamersの代表取締役CEOである、佐藤航智氏にお話を伺うことができた。実は、今回のアプリを作成するに至った経緯は、佐藤氏の実体験にあるという。

 同氏はソーシャルVRプラットフォームの「VRChat」をプレイしており、その中で出会いを体験したとのこと。そうした経験から、恋愛に特化したメタバースの制作を志したという。Memoriaの立ち上げ以前には、VRChat上のイベントでテストも実施し、ユーザーの意見を集めたのだとか。

 Flamersの強みについて同氏は、実際のマッチングアプリや街コンでは、どうしても外見上の印象に左右されてしまう部分があるが、バーチャル上でアバターを通して会話することで、そうした印象に左右されずに内面を知ることができると語る。

 また、移動や身支度の手間がないため、時間や地理的な制約にとらわれずに利用できるところなども利点だという。実際、アプリ上で会う時間は基本的に22時以降に設定されているといい、仕事終わりに気軽に出会いの場を設けられるとのこと。

 さらに、女性目線ではバーチャル空間で会話できるので、やはり安心感があるという声も多いそうだ。サービス登録時に身分証を登録することも義務づけており、またアプリ上にも通報機能があるとのことで、セキュリティー面にも配慮されている。

 気になるのは、バーチャル上で会話した後にリアルで会うと、印象の違いによるミスマッチが起こるのではないかというところだが、最初は多少の違和感があっても、リアルで話していくうちにバーチャル上での人物像と一致してくるので、ある程度は問題なく進むという。

 もちろん個人差はあるだろうが、もともとバーチャル上で仲を深めてからリアルに移行することで、最初から本人と会うよりも見た目のハードルを乗り越えやすくなるようだ。なお、ベータ版では20組のカップルが誕生し、2組が婚約まで至っているとのこと。

 また、VRというプラットフォームの特性上、機材面のハードルもあるが、それを見越してデスクトップでもプレイできるようにしている。Windows/Mac双方に対応し、ゲーム向けでないノートPCのスペックでもプレイできるようにされているため、VR環境が無くても利用は可能だ。実際、現在はデスクトップで利用している人がほとんどだという。

 昨今はVRのシステムも小型化/簡略化してきており、将来的にはよりVRが身近になる可能性が高い。その際にはこうしたサービスの強みもより活かせるようになるだろう。

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