X字フレームの攻めたデザインがカッコイイ
パーツを組み込むのが楽しくなるPCケース
今回取り上げるのは、実売価格が7万3580円の高級PCケースです。完成品PCではなくケースだけで約7万円するにもかかわらず、想定以上の人気で初回入荷分はほぼ完売しました。5万円を超える高級PCケースがこれほど売れるのは非常に珍しく、近年稀に見るスマッシュヒット作となっています。
なぜそれほど売れるのでしょうか? 見た目がカッコイイという理由だけでは約7万円の高級PCケースが売れるわけがありません。そこには自作PCマニアを唸らせるさまざまな工夫が隠されているのです。
まずは外観をチェック
本体サイズは268(W)×659(D)×639(H)mmと巨大で、重量は20.8kg。パーツを組み込んでいない素の状態でもかなり重いです。店頭で買ってそのまま手で持って帰るのは難しいうえ、次の日は確実に腕が上がらなくなります。素直に配送を依頼するか通販での購入が吉です。PCケース自体に重さがあるため安定感は抜群で、ファンの振動と同期してパネルがビリビリ鳴ったりすることはありません。
外観を大きく印象づけるのは、中央からケース周縁に伸びた堅牢なアルミニウム合金性のX字フレーム。これは耐荷重80kgのキャリーハンドルとしての機能も果たします。このハンドルがなければ、持ち上げるときにきっと腰を痛めていたでしょう。
ROGのPCケースといえば、正面に配置された多数のコネクターが特徴です。ROG Hyperionも例外ではなく、互換性のあるマザーボードで最大20Gbpsのデータ転送と最大60Wの急速充電が可能なUSB Type-Cコネクターを2つ備えています。
どんなPCパーツも収まる広い内部空間
マザーボードはE-ATX規格に対応しています。E-ATXはATXよりも一回り大きなサイズで、CPU周りに余裕を持たせた設計になっています。主にワークステーションやサーバーに用いられるE-ATX規格ですが、各メーカーのフラッグシップモデルやオーバークロッカー向けモデルなど、ハイエンドマザーボードにも採用されています。つまり一番大きくて一番高性能なマザーボードが収まるPCケースだということです。もちろんATX、MicroATX、Mini-ITX規格のマザーボードも取付可能です。
そして、前面と天面に最大420mmまでのラジエーターを設置できます。前面に420mmラジエーターを搭載可能なPCケースは最近増えてきましたが、天面は360mmが限界なPCケースがほとんど。ですがこのPCケースは天面にも42mmラジエーターを搭載できるのです。ラジエーターの設置場所を2ヵ所から選べる自由度の高さが、冷却性能を重視するマニアの心をくすぐります。
ビデオカードは全長460mmのものまで収まります。現状最強のGeForce RTX 4090搭載ビデオカードが、長いものでも356mmくらいなので、補助電源ケーブルを付けたとしても、まだかなり余裕があります。そしてCPUクーラーは高さ190mm、電源ユニットは奥行き240mmまでOK。とにかくPCケース内部が広いので、スペースを気にする必要はありません。むしろ収まらないPCパーツを探すほうが大変です。
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