そういえば桜の季節だな。で、ふと思った。何度か猫を見かけたあの公園、桜がいっぱい植わっていたよな。「桜と猫」っていう、わざとらしい絵面は無理としても、散った花びらの上に猫がちょこんと座ってるくらいは撮れないかな、と。
行ってみたのは、とある公園。2年前に訪れたとき、ちょっと足を悪くしたホームレスっぽいおばあさんが水飲み場の横に座っていて、そこにものすごく人懐こいキジトラがいて、みんなに撫でられてた。
あのキジトラは元気かな、あの公園には桜がいっぱいあったから、できれば一緒に撮りたいな……。というのは、ものすごく甘い考えだった。訪れてみると、花見客でいっぱいだったのである。猫が出てくるわけがないではないか。
そうだよな、これだけ普段より人が多かったら、いくら人懐こい猫でも茂みに隠れてじっとしてるよな。コロナ禍で花見もできなかったここ数年の印象に惑わされた私がいけない。猫はあきらめつつ、一応、茂みのあたりもチェックしてみるかと思ったら、いた。ハチワレ。
飛び上がろうとしてる足元に、桜の花びらがちょっと見えてる。ほんのちょっとだけど、一応、「桜と猫」ってことで。
すぐにぴょんと飛び上がったので、この裏手に回ってみたが、ハチワレの姿はなく、その代わり、シロネコが茂みの奥に隠れてた。
さすがに警戒モードに入っているふうなので、無理せず遠くから挨拶だけ。会いたかった人懐こいキジトラの姿は見えず。どこかで元気にしてるといいなあ。
ちなみに、その数日後に同じ場所へ行ったら、シロネコにだけ会えた。よく見ると、しっぽだけが黒い。これをシロネコと呼んでいいのか、「ほぼシロネコ」のほうがいいかもしれない、などと思いつつ。
一度、「桜と猫」写真を撮りたいと思って始めてしまったので、頭の中で記憶の底にある「猫に出会えそうな場所」と「桜が植わってた場所」のマッチングを始める。いくつか思いつき、比較的足を伸ばしやすい場所をセレクトして、とあるお寺へ足を向けることに。
そしたら、確かに猫はいたし、桜もあったのだが、ほとんど散ってて、花びらも大して積もってない。かろうじて、花びらがいくらか落ちてるのがわからないでもない(表現が微妙すぎ)場所で2匹の猫を発見。
冒頭の写真も、これの別アングル。
このチャトラが、耳がカットされたいわゆる「さくらねこ」だった、というオチではあんまりなので、昨年たまたま撮った「花見をしてる猫の後ろ姿」を最後に載せておきます。
「こういうシーンを撮りたい」と考えたときほど、思いどおりにならないのが猫のいいところでもあるので、それはそれでいいのだ。
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筆者紹介─荻窪 圭
老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/
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