GitHubは3月22日(現地時間)、自然言語でAIと対話しながらプログラマーを支援するサービス「GitHub Copilot」に、OpenAIのGPT-4など最新技術を導入した「GitHub Copilot X」を発表した。
現在、機能のひとつ「GitHub Copilot chat」のプライベートベータのみウェイティングリストが設置されている。
GitHub Copilot is already helping developers code faster in their IDEs. But what’s next?
— GitHub (@github) March 22, 2023
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GitHub Copilotを大幅にパワーアップ
OpenAIのCodexモデルで開発され、2021年6月にサービスが開始されたGitHub Copilotだが、サービス開始から2年足らずでGitHubに登録されている全コードの46%がCopilotのAIによって書かれたものになっているうえ、開発者がコーディングするスピードも最大55%速くなったという。
今回発表されたGitHub Copilot Xは、OpenAIの新しいGPT-4モデルを採用するだけではなく、チャットと音声を導入し、プルリクエスト、コマンドライン、ドキュメントなどあらゆるステップでAIが利用できるようにすることで、開発者の生産性が大幅に上がるという。
進化したチャット、肉声でプログラミングも可能に!?
GitHub Copilot Chatは、「Visual Studio Code」または「Visual Studio」のコードエディタにネイティブに統合されたチャット欄で、コードの提案を受けるだけではなく、コードブロックがなにを意図しているのかについての詳細な分析と説明を受けたり、ユニットテストを作成してバグに対する修正案を得ることもできる。
さらに、Voice-to-CodeのAI技術拡張(GitHub Copilot Voice)を使用し、開発者が口頭で自然言語のプロンプトを与えることができるようになる予定だ。
プルリクエストの説明文を作成
GitHubにはコードやドキュメントなどの変更を、他の開発者にレビューしてもらう「プルリクエスト」という仕組みがあるが、その際に付ける説明文(Description)の作成をCopilotが支援してくれる機能も追加された。
さらに、開発者がプルリクエストを作成する際に、コードの変更に関する情報を動的に取り込んで、文章や段落を自動的に提案する新しい機能を社内でテスト中とのことだ。
また、プルリクエストに十分なテストがない場合、Copilotが自動的に開発者に警告し、プロジェクトのニーズに基づいて編集、承認、拒否できるテストの候補を提案する機能も準備中だ。
AIがドキュメントを予め学習
「GitHub Copilot for Docs」は、言語やフレームワークなどに関するドキュメントをAIが学習し、ユーザーの質問に答えてくれるツール。
まずはHTMLやJavaScriptなどWeb標準の開発者向け公式ドキュメント「MDN」、JavaScriptフレームワーク「React」のドキュメント、Microsoft Azureのドキュメントである「Azure Documentation」を学ばせたAIにチャットで質問できるサービスが実験的に提供される。
この機能を利用することで、インターナルの文書やソフトウェアについてもChatGPTのようなインターフェイスで質問できる独自のチャットボットを作成することができる。
今後はドキュメントにとどまらず、課題、プルリクエスト、ディスカッション、Wikiなどのリソースをインデックス化する最適な方法を模索しているという。
なお、プルリクエストとドキュメントの学習はOpenAIの新モデルGPT-4が活用されており、論理的な推論とコード生成に大きな進歩が見られたという
また、先月ウェイティングリストが公開されていたコマンドラインインターフェイス(CLI)用の「GitHub Copilot CLI」もGitHub Copilot Xに統合されている。
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