山根博士のグロスマレビュー
日本上陸予定のOrbicが北米で発売する5Gミリ波対応スマホ「Myra 5G UW」をチェック
アメリカのデバイスメーカーであるOrbicが「MWC Barcelona 2023」で日本市場への参入を表明した。同社はアメリカで5Gスマートフォンや4Gフィーチャーフォンを展開しており、日本への投入モデルはは北米品の日本向けローカライズになるとも予想される(ついにKaiOS搭載のケータイが国内上陸か? Orbicの日本市場参入は本気のようだ)。
日本では名前の知られていないOrbicだが、製品の実力はどれくらいなのだろうか? アメリカのキャリア、Verizonから販売されているOrbicの5Gスマートフォン「Myra 5G UW」を試してみた。
ミドルレンジの堅実なスマホ
特筆すべき部分はないが悪いところもない
Myra 5G UWの製品名の「UW」とはベライゾンの5Gブランドである「Ultra Wideband」対応モデルであることを表している。日本やヨーロッパなどで販売されている5Gスマートフォンのミドルレンジ機は大半がSub 6対応だが、Myra 5G UWはベライゾンが採用している28GHz帯のミリ波に対応しているのだ。Myra 5G UWはベライゾンの普及5Gモデルとしてユーザー獲得の武器にもなっているという。
Myra 5G UWのスペックはチップセットがSnapdragon 750G、メモリー6GBにストレージ64GB(microSDカードは512GBまで)という構成。ディスプレーは6.78型で解像度は1600×720ドット、アスペクト比は20:9、バッテリーは5000mAhを搭載する。OSはAndroid 11で、Android 12へのアップデートが予定されている。価格は349.99ドル(約4万6000円)だが、ベライゾン加入者向けに割引販売もある。
カメラはシンプルに4800万画素の広角、800万画素の超広角、200万画素の深度測定というトリプル構成。フロント側には1600万画素カメラを搭載、価格が安いモデルだが水滴型のノッチではなくパンチホールで内蔵している。指紋認証センサーは背面中央上部に備えており、その下にはベライゾンの5Gのロゴ「5GV」の表記が見える。
本体のデザインは極めてオーソドックスで、右側面に電源とボリューム、左側面にはnanoSIMカードトレイを備える。本体底部には3.5mmヘッドフォン端子も搭載。本体サイズは約80×173×9.1mm、重さは230gだ。
プリインストールアプリはベライゾン固有のものがいくつか入っている程度。アメリカではSIMカードがあらかじめセットされ、プリペイド端末としても販売されている。ベライゾンの5Gの電波を掴んだ後は「My Verizon」アプリを通して簡単に回線の開通・購入もできるようだ。
本体を使ってみると、ディスプレーの周りのベゼルがやや広く感じられる点が若干気になった。Snapdragon 750Gは一世代前のチップセットだが、Myra 5G UWは2021年9月発売の製品であるため、当時としてはミドルレンジ機では一般的な選択だっただろう。画面のタッチ操作やSNSのタイムライン表示のスクロールに若干ひっかかりは感じられるが、スペック相応といったところ。
参考までにAnTuTuのスコアは378233だった。もちろんハイエンドなゲームを遊ぶユーザー向けの製品ではない。とはいえ、格安機のようなもっさりした動作ではないため、ライトユーザーもストレスなく使うことができそうだ。
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