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あなたが死ぬまでデータを暗号化して保管できるスイス生まれのサービスを紹介

99年間使える! 買い切り型クラウドストレージ「pCloud」の多機能超コスパぶりを伝えたい

2023年03月24日 11時00分更新

文● 二瓶朗 編集●ASCII
提供: pCloud International AG

【特長紹介】一生涯使える&高セキュリティ

 提供するのはサービスと同名のpCloud社。同社は2013年に既存のクラウドストレージサービスに対してアクセス性とセキュリティ対策に不満を感じていたTunio Zafer氏(現CEO)とAnton Titov氏(現CTO)によって創業された。

 同社はスイスに拠点を構えており、「pCloud」は欧州中心に全世界で広く利用されている。アジアでは中国・台湾・日本を中心に60万人以上のユーザーを抱える。

 最大の特徴は先に触れたように「買い切り型」の料金体系であること。利用する容量を選択し、当該プランの料金を一度支払えば、「一生涯」利用できる。生涯をもう少し正確に言うと99年もしくはアカウント所有者の生涯のいずれか短いほうの期間だ。

 こういった料金体系は、日本はもちろんのこと欧米でも珍しい。DropboxやMicrosoft OneDrive、Google Driveといった、超メジャーなクラウドストレージサービスに買い切りプランはない。なお現在、買い切り型のサービスはいくつか散見されるものの、世界で初めて提供開始したのは「pCloud」だ。

 「pCloud」のもう1つの大きな特徴はセキュリティの高さだ。「pCloud」は自サービスを“ヨーロッパで最も安全なクラウドストレージ”と謳うほどセキュリティに自信を見せている。

 「pCloud」を利用して各種ファイルをクラウドに保存する場合、データ通信にはTLS/SSL暗号化技術が利用される。データを保存する際に、第三者が盗み出したり改竄したりすることを防ぐことが大きな目的だ。またユーザーデータを少なくとも世界中で3つの異なるロケーションのデータセンターに保存することで、確実性を高めている。

 さらに「pCloud Encryption」と呼ばれる機能がセキュリティをより高める。ユーザーのパソコンやスマホに「pCloud」アプリをインストールしているとき、特定のフォルダにファイルを保存しておくことで、自動的に暗号化処理したうえでクラウドに保存できる。

 いわゆる“クライアント側の暗号化”というヤツで、ユーザー以外に復号化するためのキーを持ち合わせる人物はいない。そのため、悪意のある攻撃者が万が一「pCloud」のサーバーに不正アクセスしてファイルをダウンロードしてしまったとしても、暗号化を解除できずその中身を確認することも不可能というわけだ。

 この強固なセキュリティシステムにより、たとえpCloud社の人間でもファイルの中身を知ることはできない。実際、同社はサービス開始以降、誰からも暗号化を破られたことはないとアナウンスしている。

 最後の大きな特徴は、「pCloud」は日本語化が十分進んでいること。重要な契約周りはもちろん、「よくある質問」などもキッチリ日本語化されている。また、日本語で対応できるサポートチームも存在すると言い、基本的にユーザーからの問い合わせには24時間体制で日本語による回答が可能なのだという。

大切なデータをまとめて長期間保管するのだから、日本語サポートの有無は意外と重要

 尖った先進サービスが日本に上陸してきたものの、日本語化がそれほど進んでおらず、使いこなすには有志の作ったTIPS記事やwikiが頼り、といった海外発サービスでよくある事態には陥らないので安心して利用開始できる。

 なお、日本においては正規代理店・ノイテックス社がTIPS記事を公開しているのでそちらもチェックしておけばより安心だろう。

【契約プラン紹介】2TBを約5万3000円で一生涯使える!

 さっそく「pCloud」を使ってみる。アカウント作成はごく普通。メールアドレスを登録するか、Apple ID、Facebook ID、Googleアカウントのいずれかを選択してアカウントを作成したら、とりあえず10GBのクラウドストレージを14日間、無償で利用できるようになる。

 料金設定プランは、何度か触れている通り「買い切り型」が基本だが、サブスクタイプも用意されている。個人用、ファミリー用、ビジネス用のプランが用意され、「個人用」では「生涯(買い切り)」または「年間(サブスク)」の支払いタイプが選択できる。

 選択できる容量は両タイプ共通で、500GBの「Premium」プラン、または2TB「Premium Plus」プランから選択。生涯タイプのみ、さらに10TBの「Custom」プランを選択できる(図参照)。2TBをおよそ399ドル(約5万3000円/2023年3月中旬のレート)で生涯使えることになる。

個人用プラン、生涯(買い切り)タイプの料金設定

 前述した暗号化機能「pCloud Encryption」は追加機能となるが、こちらも150ドル(約2万円)の買い切り型で、やはり生涯利用可能。つまり、約7万3000円で99年かあなたが死ぬまで2TBの高セキュリティなクラウドスペースが自由に利用できるというわけだ。

 「ファミリー用」は最大5人までの家族がプライバシーを確保しながらクラウドスペースを共有できるプランで、生涯タイプのみ用意されており、容量は2TB(595ドル)または10TB(1499ドル)から選択できる。

個人用プラン、年間(サブスク)タイプの料金設定

 「ビジネス用」は年間および月間サブスクリプション契約が用意された業務用サービスで、3人以上のユーザーで共有できるとともに「pCloud Encryption」が標準装備される。「Business」プランが7.99ドル(年額)または9.99ドル(月額)で、「Business Pro」プランが15.98ドル(年額)または19.98ドル(月額)で利用できる。

 なお、各プランで「リンクトラフィック」が設定されている。これは「pCloud」契約者以外のユーザーが「pCloud」のサーバーにアクセスしてファイルをダウンロードしたときにカウントされるトラフィック容量。要は契約ユーザー以外の人が延々とデータをダウンロードするような事態を避けるための措置である。

 個人プラン2TBで最大2TB/月のリンクトラフィックを利用できるが、2TBあたり99.99ドル(年額)で追加購入することも可能。

 各プランとも各種クレジットカードおよびPayPalでの支払いが可能で、10日間の返金保証が付けられている。

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