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最大32kbpsだけど月250円で使い放題(?)のSIM、mineo「マイそく スーパーライト」に早速加入した

2023年03月14日 12時00分更新

ケータイで試してみる 通話はもちろん問題なし
VoLTEでの通話には速度制限はないとのこと

 今回Dプランで申し込んだので、フォーチャーフォン(ケータイ)はまずドコモの機種で試してみる。残念ながらLTE対応のものがなかったので3G機の「らくらくホン ベーシック3(F-08C)」にSIMを挿入したが、問題なく通話ができた。ちなみに5Gオプションを申し込んでいると3Gでの通信はできなくなるので注意が必要だ。

ドコモの3G機に入れると、すぐにアンテナマークが立って通信可能に。3Gで通信する場合は、5Gオプションはオフにしておこう

 続いては、auの製品となるがLTE対応でAndroidベースのフィーチャーフォン「GRATINA KYF39」で試した。SIMロック解除していれば、ドコモ回線でも利用でき、APN設定をしたところデータ通信も可能で、ケータイ向けのウェブサイトの閲覧も可能だった。しかし、さすがに32kbpsでは遅く、この小さな画面でもサクサクとは表示はされない。

4G対応のフィーチャーフォンのウェブブラウザーでASCII.jpを表示した。テキスト部分は意外に早く表示されたが、画像はなかなか出てこない

 次に、ウェブサイトが難しいならメールも試した。KYF39はキャリアメールの機能とは別に「PCメール」としてPOP3やIMAPのメーラー機能も内蔵している。これを設定したところ、サーバーのやりとりに少し時間がかかるものの、メールの送受信も可能だった。

PCメールの機能でメールを受信したところ。これは特に遅さを感じない

KYF39はau機なので、ドコモのVoLTEとは相性が良くないようで通話は3Gだった

 mineoでは「マイそく スーパーライト」の登場に際して、「ガラホ端末」の動作確認リストも公開。対応端末であれば、VoLTEでの通話も可能で、音声通話用の通信は速度対象外とのことなので、問題なく通話が可能だ。ただし、mineoの通話(通話料)はちょっと複雑なのでやや注意が必要だ。

「マイそく スーパーライト」発表時のガラホでの動作確認表

 まず、mineoの基本的な通話料は30秒あたり22円。しかし、「mineoでんわ」(基本料無料)を申し込むことで、半額以下の30秒あたり10円にすることができる。この「mineoでんわ」の適用には専用アプリが必要で、フィーチャーフォン向けにはアプリがないので、mineoでんわは原則利用できないことになる

 おトクに通話をするには、「マイそく スーパーライト」に合わせて発表された「10分通話パック」(月額110円)、もしくは1回10分まで定額の「10分かけ放題」(月額550円)とかけ放題の「時間無制限かけ放題」(月額1210円)という3つのオプションがあり、いずれもアプリは不要。

 「10分通話パック」は月110円で440円分(30秒あたり22円なので最大10分)の通話が使えるとするが、定額分を超えると30秒あたり22円となる(なお、「10分かけ放題」は1回10分を超えた分は30秒11円)。

 こちらからよく電話をかける人であれば、「10分かけ放題」か「時間無制限かけ放題」を追加すればよく、月1460円でかけ放題の回線が持てるのはメリットがあるが、これらの通話定額を申し込んでおらず、突発的に長時間の電話をかけてしまうと割高になる。1時間の場合は2640円。スマートフォンであれば「mineoでんわ」さえ申し込んでおけば1200円で済むが、フィーチャーフォンのユーザーが使う場合は、この点は注意が必要だろう。

IoT機器の遠隔操作に有効

 実は筆者が最も有効だと思っている使い方がIoT機器の遠隔制御用だ。今回はLTE対応のモバイルルータ「Aterm MR04LN」とスマートプラグ「Meross」で試した。

モバイルルーターとスマートプラグの組み合わせで試したが、問題なくスイッチのオン/オフができた。

 その結果は特段遅延などもなくスイッチのオン/オフができた。ただし、初期登録時は32kbpsなので少し時間がかかる。登録だけはもう少し早い回線に接続したほうがいいかもしれない。

 こうした使い方でも「マイそく スーパーライト」は音声通話回線のみでの提供となる。もし、遠隔地にモバイルルーターなどに入れて置いておく場合、何らかの対策をしておかないとSIMの盗難などがあった際は通話で使われてしまう恐れもある。データ専用で申し込めないのはちょっと惜しい気もする。

 実際、法人向けにIoT機器の制御用として低速で安価なLTE通信のサービスはいくつかある。IoT向け回線にくらべると個人でも申込みしやすいため、活用しやすいことも多いだろう。

用途は限られるが、活用方法はいろいろある

 試す前からわかってはいたことだが、間違っても「マイそく スーパーライト」をスマートフォンで普通に使おうなどと思ってはいけない。スマートフォンで使うなら、通話がメイン、かろうじて考えられるデータ通信の使い方はメールの着信通知が来たときに、公衆Wi-Fiの電波が捉えられるところまで移動してメールの読み書きをするといったところだろう。

 それよりも、フィーチャーフォンで音声通話を活用するか、デュアルSIMのスマートフォンでの音声専用回線にするか、IoT機器の制御などに向いていると思われる。このほかにも低速でも安価なSIMの利用法はあるはずで、これまで通信手段のなかったところに、低速でも通信手段を用意できるという意義は大きいはずだ。

 なお、このようなサービスではKDDIのpovo2.0ならもう少し早い速度、さらに安価に利用できそうだが、ドコモ/ソフトバンクネットワークが必要な場面に「マイそく スーパーライト」が生きてくる。この安価なサービスの活用法をいろいろ考えてみるのもおもしろいかもしれない。


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