画像生成AI、「Stable Diffusion」の開発元であるStability AIは3月7日(現地時間)、AIを活用した画像処理ツール「Clipdrop」などを開発するInit MLを買収(価格は非公開)したことを発表した。
すでに生成系AIツールも提供
「Clipdrop」はAI技術を活用したレタッチツール。写真から人物などを自動的に切り抜いたり、後から照明を当て直したりといった画像編集作業を得意としている。
スマホおよびPC用アプリのほか、「Photoshop」や「Figma」といったツールで利用できるプラグインや、開発者向けAPIも用意されており、現在1500万人以上のユーザーを獲得している。
Stability AIのファウンダー兼CEO、エマード・モスターク氏は「この買収によりClipdropは、生成AIの次の時代を進めるための必要なリソースを提供し、クリエイティブなワークフローにおけるAIとマルチモーダルモデルの力を民主化するという、私たちの共通の旅における新しいマイルストーンを示すことになります」と述べている。
「Clipdrop」にはすでにStable Diffusionを使用したと思われる「Text to image」、「Replace background」といった生成系のツールが公開されているが、完全子会社となり資金やマシンリソースが投入されることで、さらに競争力の高いAIツールの開発が進むことだろう。
訴訟抱えるも強気のStability AI
Stability AIは2022年10月にベンチャーキャピタル等から1億100万ドル(約150億円)の出資を受けており、今回の買収はその資金で実現したものと思われる。
同社は最近、知的財産権に関した複数の訴訟を抱えているが、にもかかわらずStable Diffusionは急速に成長しており、最近の生成AIブームに乗った強気な姿勢が目立つ。
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