楽天モバイル傘下の楽天シンフォニーは、MWC Barcelona 2023にてカンファレンスを開催。楽天グループトップの三木谷浩史氏、楽天モバイルと楽天シンフォニー両社のCEOであるタレック・アミン氏らが登壇し、現在の取り組みを紹介。世界のモバイル業界の関係者に対して、同社のソリューションをアピールした。
最初は他社に「頑張って」と笑われたが
今は一番先を行っている
ステージに登壇した三木谷氏は、楽天グループについてあらためて紹介。「1997年に従業員6人、初期資本20万ドルのスタートアップとして始まった。そしてモバイルビジネスとして携帯電話業界に参入するときに多くの人に『なぜ?』と言われたが、それはモバイルビジネスのコレクティビティーが、私たちのエコシステムの非常に重要な部分になると信じているから」と携帯電話事業へ進出した経緯を説明。
同社が採用している仮装化ネットワークとO-RANに関して「私たちが仮想化を始めたとき、周りの人たちは正直言って皮肉屋で、大企業の友人や通信会社の人たちは、『ミッキー、頑張って』と言って、私たちのことを笑っていました。現在、当社の仮想化ネットワークとO-RANのパフォーマンスは、世界のほとんどの通信会社を凌駕していることは明らか」と、先行して開発や導入に取り組んできた点をアピールした。
続いて登壇したタレック氏は、「当初、私は上司に技術としてO-RANをするべきだと提案した。しかし当時はO-RANに関するリスクが大きすぎると考えられたため、最初のステップで国内向けに仮想化に取り組み、後半はレガシーテクノロジーをやりましょうとミッキーに提案した」とのこと。仮想化ネットワークやO-RANの新たな大手採用事例などは提示されなかったものの、三木谷氏と同じく仮想化ネットワークやO-RANに関して、楽天シンフォニーが世界の最先端を走っている企業であると語った。
イベント終了後、三木谷氏はプレスに対して囲み取材に応じた。O-RANに関しては、ステージでのプレゼンと同様に「今のところ楽天が一番先を行っている。利益率が高いビジネスにはなると思います。すでに受注残高で4500億円くらいある。2年でそれだけある会社はすごいと思う」と紹介。今後仮想化ネットワークと合わせて、O-RANが同社の注力分野であることを話していた。
楽天シンフォニーはイベントのほか、会場にもブースを設置。新しく発表された仮想化基地局に対応したサーバー「Symware 2.0」や、2月にスタートしたホームルーター「Rakuten Turbo 5G」などを展示していた。
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