対話型AI「ChatGPT」などを手がけるOpenAIは2月24日、この先のAIの発展を見据えたロードマップを発表した。人間より賢いAIと言うべき汎用人工知能、AGI(Artificial General Intelligence)が誕生することを前提として、今後どのような対応が必要になってくるかを述べている。
慎重な導入やグローバルな合意が必要
ロードマップではこの先、AIの発展に必要なこととして、短期的には以下の3点を挙げている。
発展し続けるAIを段階を踏んで少しずつ展開する
社会へのAIの導入を少しずつ段階的に実施することで、個人や政治、行政などがAIについて学び、社会をAIにうまく適応させる時間を確保する。リスクを踏まえ、展開のメリットとバランスも考慮する。
ユーザーに設定の裁量権を多く与える
AIの使用に関する社会的合意の範囲内であれば、使い方についてはユーザーが多くの裁量をもっている必要がある。
そのためOpenAIはAIの「デフォルト設定」こそ制限するものの、基本的にはユーザーがAIの動作を簡単に変更できるようにする予定だという。
AIの適切な管理と利益分配やアクセスの公平性に関するグローバルなルール策定
AIを適切に管理し、誰もが公平にアクセスし、公平に利益を得られるようにするために、国の垣根を越えたグローバルな話し合いの場をもつ必要がある。
AIが人類全員を団結させるものであってほしい
また、別途長期的な視点として、AIの進歩に関する情報を一般の人々と共有することを重視。AGIを構築しようとするすべての取り組みを精査し、主要な決定については公開協議の必要があるとした。
これはAGIの使い道を誤ると、世界規模で深刻な問題を引き起こす危険性があることや、独裁政権がそれを利用できる可能性があることを踏まえたものだ。
同社はAGIの誕生とそれを扱う世界への移行について、人類史上最も重要で、希望に満ち、かつ恐ろしいプロジェクトとしつつ、人類が繁栄する世界に沿った形のAGIで世界に貢献していきたいと結んでいる。
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