前回記事(「EOS Kissの後継機、軽くてかわいいキヤノン「EOS R50」の猫AFは非常に賢いのだった」)で、Kissシリーズの血を受け継ぐ「EOS R50」で猫を撮った話をしたけど、実は同時にもう1台発表されてて、こっちは初代「EOS R」とその次に出た「EOS RP」の血を受け継ぐカメラなのだった。その名は「EOS R8」。
EOS Rシリーズの場合、型番数字が小さいほうがプロとかハイアマチュアとか、ガチで撮る人向けで、高性能で重くて高い。型番数字が大きいほうは、一般向けというかエントリー向けというようになっていて、軽くて小さくて安い。
このEOS R8は、フルサイズセンサー機ながら一般向けで、軽くてコンパクト(安い、とはちょっと言いづらいけど、上位機に比べると安い)だけど、最新の上位モデル「EOS R6 Mark II」の高性能を多く受け継いでるという、なかなかいい感じのモデルなのだ。
なので、猫AFも最新上位モデルを受け継いでる。猫の瞳でも動体でも頭でも、見つけるとちゃんと自動的に捉えてくれるのだ。
よいことですな。今回は、発売前のカメラということでじっくりとは試せなかったのだけど、せっかくなのでここで披露したい。
カメラが届いて、最初に撮ったのがうちの黒猫ミルだ。気がつくと段ボールに入ってたので、「シーンインテリジェントオート」モードのままパシャリ。使ったレンズは「RF85mm F2 MACRO IS STM」。このレンズ、実は猫撮りにピッタリだと思う。コンパクトだし、手ブレ補正も付いてるし(EOS R8はボディ内手ブレ補正がないのだ)、写りもいい。
冒頭の1枚も、このレンズで撮ったもの。家の中でも程良い距離感でぴしっと撮れるのでいいのだ。EOS R8がいいのは、高感度に強いこと。夜の室内のような明るくない場所でもOKなのだ。
これなんか、左手でミルと遊びつつ、右手で撮った写真。レンズは軽くてコンパクトな標準ズーム。ミルが暴れてもブレないようシャッタースピードをぐわっと上げて(そのぶんISO感度も上げて)撮ったのだけど、小指を嚙んだ瞬間もばっちり。犬歯では嚙まないところがさすが、というより、そもそも指を嚙むなよ。
では、うちの猫はこの辺にして、例によって、「保護猫シェルター QUEUE」へGoである。QUEUEへ行っても黒猫かい! とツッコまないでください。たまたま黒猫がいいところにいたのだ。キャットタワーの階段を上る黒猫。
さらに2匹の黒猫が並んでたので、後ろにいる上を向いた黒猫にピントを合わせてみた。画面をタップすると、合わせる被写体が切り替わるのだ。これはいい。2匹が並んでるとき、あっちを撮りたいってあるからね。
こういうとき、普通はカメラ目線をしてくれてる手前の黒猫にピントを合わせるけど、上を向いた奥にいる猫にあえて合わせて、ちょっと不安定な感じにしてみた。
ここで、やっと黒猫じゃない猫の登場だ。床にぺたっと座ってカメラの準備をしてたら、キジトラがそっと近づいてきたので広角で。ちょっとカメラのストラップが写っちゃってるけど、そのくらい近くから撮ったのだってことで。
次は、白黒の猫。ケージからケージへ渡る瞬間の図。正直に言うと、ぴょんと跳び越えてほしいな、そしたらその瞬間を撮りたいな、と思ってカメラを構えてたのだけど、飛ぶまでもなく余裕で届いたのだった。こういうシーンを見ると、猫ってけっこうプロポーションよくて、体もしっかり大きいんだなと思うよね。さすが猫。
最後は、怖い猫。ここは、猫カフェじゃなくて保護猫シェルターなので、いろんな猫がいる。みんながみんな、人に慣れてるわけじゃない。中には、近づくとシュッと爪が出てくる猫もいる。人を攻撃したいんじゃなくて、怖がってると言っていいんじゃないかなと思う。
そういう猫は、遠くからそっと、キャットタワーの丸い穴から撮ろうと思ったら……じろっと睨まれたのだった。そしたら、睨んでる顔がカッコいいではないか。穴の向こうからじっと睨んでるってのがまたいい。今回のお気に入りカットである。
EOS R8とかEOS R50は、製品が発売される頃にでも、またじっくりといろんな猫を撮りに行ってみたいと思う。
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筆者紹介─荻窪 圭
老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/
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